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ウォレス・スティーブンス(Wallace Stevens)(1879 – 1955)「午後十時の幻滅」(1915): 若く、エネルギーに満ち、変化と冒険を求める!    2017/06/21

2017-06-21 09:11:31 | 日記
 午後十時の幻滅

白いナイトガウンが
家々にとりついている。
緑色のナイトガウンはない、
紫色で緑色の輪がつくのもない、
緑色で黄色の輪がつくのもない、
黄色で青色の輪がつくのもない。
レースのソックスをはき
ビーズのサッシュをつけ、
ナイトガウンが奇妙になることもない。
人々はヒヒやタマキビガイの夢を
見ない。
どこかで、老船員だけが
酔っ払って靴を履いたまま寝て、
赤い空模様のもと
虎を捕まえる。

《感想1》
この詩人は日常生活の単調さ、繰り返し、紋切り型に、うんざりしている。
午後十時、寝る時間、いつも白いナイトガウンに着替える。
しかし、緑色だっていいはず。紫で緑の輪、緑で黄色の輪、黄色で青の輪ならにぎやかだろうに!
しかしそんなことは起きない。幻滅。
ナイトガウンを着た時、レースのソックスをはき、ビーズのサッシュをつけたりしない。
だから単調で、何の変化もなく、がっかり。
夢だって、いつも平凡。ヒヒやタマキビガイなど風変わりな夢は見ない。
詩人は、赤い空のもと、虎を捕まえる夢が見たい。
《感想2》
平凡・退屈・単調に、神の恩寵を見出す立場もあるが、この詩人は、その立場にたたない。
彼は若く、エネルギーに満ちている。変化と冒険を求める。

 Disillusionment of Ten O’Clock

The houses are haunted
By white night-gowns.
None are green,
Or purple with green rings,
Or green with yellow rings,
Or yellow with blue rings.
None of them are strange,
With socks of lace
And beaded ceintures.
People are not going
To dream of baboons and periwinkles.
Only, here and there, an old sailor,
Drunk and asleep in his boots,
Catches tigers
In red weather.
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