DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

山村暮鳥(1884-1924)「ある時」 『雲』(1925年)

2016-10-20 16:20:27 | 日記
  ある時

木蓮の花が
ぽたりとおちた
まあ
なんといふ
明るい大きな音だつたらう

さやうなら
さやうなら

《感想》
①詩人は、キリスト教日本聖公会の伝道師(1913-19年)をつとめたが、結核で休職。
①-2 自然のあらゆるものに、神を見いだす彼独特の神学は、しばしば異端と攻撃された。
②「木蓮の花が/ぽたりとおちた」とき、「大きな音」がした。これは《事実》。
②-2 この音を、「明るい」と感じるのは、詩人の《主観》。
②-3 落花は、《死》を示す。しかし、この詩人は、《死》を肯定する。なぜなら、それは《神あるいは自然の摂理》だから。
②-4 一方で、死する者(木蓮は擬人化されている)への哀惜。「さようなら/さようなら」と詩人は、哀悼を示す。
②-5 他方で、しかしそれは「明るい」。それは不条理でなく、《神あるいは自然》が定めた《摂理》だから。詩人は、哀しみながらも、《死》を受け入れる。

 ONE TIME

A flower of Magnolia fell plop.
Oh, what a delightful large sound it was!

Goodbye! Goodbye!
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