※アイリアノス(200A.D.頃)『ギリシア奇談集』(第1~14巻)岩波文庫
第8巻(15)「ピリッポス、勝利に驕(オゴ)らぬこと」:家来に「ピリッポス、あなたは人間ですぞ」と言わせた!
ピリッポス[マケドニア王フィリッポス2世(在位前359-前336年)]はカイロネイアの戦い[前338年]でアテナイ軍を破り、意気大いに上がった。しかし、自分が人間の身であることを忘れぬように、毎日、家来の一人にそのことを言わせて思いを新たにした。毎朝、その家来が「ピリッポス、あなたは人間ですぞ」と三度、大声で言うまでは、ピリッポスは人前に出なかった。
《感想》慢心、驕り(オゴリ)は危険だ。日本にも「驕る平家は久しからず」という格言がある。英語では「Pride will have a fall.」(驕りたかぶれば、倒れる)という言葉がある。Cf. Pride goes before destruction, and a haughty spirit before a fall. 高ぶりは滅びにさきだち、誇る心は倒れにさきだつ。(『旧約聖書』「箴言」16-18)
第8巻(17)「ザンクレの独裁者スキュテスのこと」:ダレイオス王を欺かなかった!
シケリアのザンクレの独裁者だったが、裏切りにあいイニュクスの町に追放されたスキュテスは、アジアに渡りダレイオス王[アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世、在位前522-前486年]のもとへ身を寄せた。ダレイオス王は、ギリシアから自分を訪れて来たすべての人間の中で、スキュテスこそ最も誠実な人間と考えていた。その理由は、スキュテスが王に嘆願して、いったんシケリアに帰ったが、再びシケリアから王のもとへ戻ったからだ。
《感想》スキュテスはダレイオス王を欺いて、故国シケリアにとどまることもできたのに、そうしなかった。ダレイオス王は感激した。なぜなら人の世は「裏切り」に満ちているからだ。かくてアイリアノスは書く。「スキュテスはペルシアで非常に幸せな生涯を送り、高齢に達して世を去った。」
第8巻(15)「ピリッポス、勝利に驕(オゴ)らぬこと」:家来に「ピリッポス、あなたは人間ですぞ」と言わせた!
ピリッポス[マケドニア王フィリッポス2世(在位前359-前336年)]はカイロネイアの戦い[前338年]でアテナイ軍を破り、意気大いに上がった。しかし、自分が人間の身であることを忘れぬように、毎日、家来の一人にそのことを言わせて思いを新たにした。毎朝、その家来が「ピリッポス、あなたは人間ですぞ」と三度、大声で言うまでは、ピリッポスは人前に出なかった。
《感想》慢心、驕り(オゴリ)は危険だ。日本にも「驕る平家は久しからず」という格言がある。英語では「Pride will have a fall.」(驕りたかぶれば、倒れる)という言葉がある。Cf. Pride goes before destruction, and a haughty spirit before a fall. 高ぶりは滅びにさきだち、誇る心は倒れにさきだつ。(『旧約聖書』「箴言」16-18)
第8巻(17)「ザンクレの独裁者スキュテスのこと」:ダレイオス王を欺かなかった!
シケリアのザンクレの独裁者だったが、裏切りにあいイニュクスの町に追放されたスキュテスは、アジアに渡りダレイオス王[アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世、在位前522-前486年]のもとへ身を寄せた。ダレイオス王は、ギリシアから自分を訪れて来たすべての人間の中で、スキュテスこそ最も誠実な人間と考えていた。その理由は、スキュテスが王に嘆願して、いったんシケリアに帰ったが、再びシケリアから王のもとへ戻ったからだ。
《感想》スキュテスはダレイオス王を欺いて、故国シケリアにとどまることもできたのに、そうしなかった。ダレイオス王は感激した。なぜなら人の世は「裏切り」に満ちているからだ。かくてアイリアノスは書く。「スキュテスはペルシアで非常に幸せな生涯を送り、高齢に達して世を去った。」