葬儀で司会の方が
「ご回向のほど宜しくお願いします」
と言われるが、この廻向は自分の持っている善根功徳を亡くなった方に振り向ける廻向であります。
親鸞聖人は自分に他の人を救う力(功徳)はありません。
和讃に
「小慈小悲もなき身にて 有情利益はおもふまじ 如来の願船いまさずは 苦海をいかでかわたるべき」
(意訳)わずかばかりの慈悲さえもたないこの身であり、あらゆるものを救うことなど思えるはずもない。阿弥陀仏の本願の船がなかったなら、苦しみに満ちた迷いの海をどうして渡ることができるであろう。
阿弥陀如来は「南無阿弥陀仏」の六字に仏徳の全て込めて私に廻向して下さる。(全徳施名)
浄土真宗の回向文は
「願以功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」
皆さん阿弥陀さまのご成就下さったお念仏のお心をいただいて共にお浄土へ参りましょう。
とお勧めするばかりであります。
よって浄土真宗の葬儀では
司会者は「お勤めのほど(ご読経のほど)宜しくお願いします」と言った方がいいですね。