King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

虞美人草の夢

2013年08月10日 15時40分26秒 | 日々のこと
昨日はフルサイズのランニングコースの連続二日目でしたが、
またも腹痛のため完走に至らず、悔しい思いやら情けないやら
で夜もまたよく眠れない夜になるかと思ったら意外にも一度も朝まで
目が覚めずに眠れました。

しかし、珍しくまた夢を見ました。

またこれが小説にして出版したくなるような文学的な夢だったので
忘れないうちに少し書いておこうと思いました。

舞台はなぜか北海道で、北海道が開拓されて豊かな自然の大地が
バブルがはじけて以降破綻の地以外に注目されないのかという
オープンニングと舞台設定があって、謎の登場人物とそれを追う
ジャーナリストとNPO団体の闇を突いた物語でした。

白い地元自生の花で地域活性化を果たそうともくろむ青年の謎の
失踪事件を追うジャーナリストの主人公が見たその花とはポピー
であり、まぎれもないケシの花だったのです。

地元では珍しくもない白い花で、その謎の失踪を遂げた男に
言われるままに観光地から一般の家にまで花を植えて増やしていく
男の執念とその花に掛ける思いを追うジャーナリストは彼の真意は
麻薬精製だったのかそれともただの無知で花を増やしてしまい、
結果その花の意味に気が付いた闇の組織から逃れるために姿を
消したのかという謎を残してぶつりと夢は終わりました。

夏目漱石などが未だにしつこく読み継がれるのがよく解りませんが、
手法として当時誰も目にしたことがないターナーだとか抱一の絵を
題材にしたり、美という観念が人生と対峙した時に生命がいかに
軽くなるかという芸術と近代と真摯に生きるということが巧みに
溶け込んでいる不思議な世界を体感できるからなんだと思います。

それは村上春樹の小説が誰もあまり注目していないようなクラッシック
の音楽が繰り返し登場したり、本来は話題の中心に来ないものが
スパイ映画の劇画的な場面のように使われたり、なんだか似た手法
を使ったように感じます。

先日芸大で漱石のテーマになった絵という展覧会があり、虞美人草は
芸大の先生が新たに描き起こしたものでした。

それが完全に現代のポピーであり、すごい違和感を覚えたのと
今回北海道の地にポピーを植えて町おこしというテーマも何か
出発点が似ているものを感じました。

しかし、ケシの花から麻薬を生成するのは簡単ではなく、大麻を
栽培して検挙される人はよくありますが、ケシの花では現実味は
どうでしょうか。

ポピーの花畑というのも現実に秩父にもある物ですし、やはり触れては
いけない感じもしました。

秩父としては宮澤賢治のイギリス海岸とか漱石のターナー島のように
芸術と文化を地域に結び付けることではないかと感じます。

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