墨汁日記

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平成マシンガンズを読んで 41

2006-09-16 19:17:10 | 
 私は死神の言葉を反芻して考える。
 死神の考え方は、おぞましくて冷たく悲しい考え方だ。
 と、思う一方で、死神の考え方を理解する私の心にも、おぞましく冷たい悲しさがあるとボンヤリと考える。

 死神は、ポツリポツリとたどたどしく話すくせに、結論めいた部分になると妙に熱を込めて話す。
 圧倒はされたが、まだ、死神を受け入れるワケにはいかない。
 きっと私は、死を認めたくないのだろう
 とにかく死にたくないからね。
 誰だって死にたくないというのが本音だと思う。

 死神は言いたい事を言い尽くして呆然としている。

 沈黙。

 私は心の中で舌なめずりをした。

 さて、死神はこの沈黙にたえられるかな。

 きっとたえきれずに、まだ言葉が足りなかったかなと言葉をつなぐはずだ。そして、きっとボロを出す。

 沈黙に気がついた死神の目はさらに深い穴ぼことなった。私の心を探索しているようだ。
 死神は何を考えているのだろう。
 死神の顔が肉のないドクロに見えてきた。

「世界の飢えた子は、世界の大人たちの都合で飢えている。悲しいかな、それが真実だ」

 きた。
 大人はたいてい馬鹿だ。
 子供が沈黙していると耐えきれずに話し出し、自らボロをだす。

「だが、大人の都合で生かされているという事では、あんたらだって変わりない。あんたらは大人の都合で産みだされ、大人の都合で飼育される。世界の飢えた子が野良猫なら、あんたらは飼い猫だ」