墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

平成マシンガンズを読んで 36

2006-09-13 20:29:51 | 

「納得しない人はいると思います」

「当然だ。
 人間には誰でも1日に何回でも好きなだけ飯を食える権利がある。
 1日に何回飯を食っても、正当な方法で誰にも迷惑をかけないかぎりは、法律で咎められないのが『民主主義』だ。
 正当な方法とは金銭だな。お金だ。
 お金だけが『民主主義国家』での、『権利』のレパートリーを増やしてくれる。
 法の下での『平等の権利』が建前の社会では、『平等な取引』を咎める事は出来ない。
 取引とは、価値の交換である。
 なら、価値あるものを多く所有する者が有利なのは当然だ。
 そもそも、なんにも価値あるモノを持たなければ交換のしようもない」


平成マシンガンズを読んで 35

2006-09-13 19:52:41 | 

 私は疑問に思ったので質問してみた。

「死神さん(で、いいのかな)。もしかして数学が苦手ですか?」

「素晴らしく得意ってほどは、まぁ得意ではないかも。
 でもアレだ。
 俺にはなんでもお見通しの死神アイがあるから、細かい計算なんてどうでもいいんだよ。死神アイはモノゴトの本質をズバリと見抜くのだ!
 ただ、近眼なんで細かいところは良く見えないけど」

 死神は右手の親指でメガネをずりあげた。

「めんどうなんで、おおざっぱに世界の子供の3分の1が飢えた子供だとする」

 死神は話を続ける。

「そして、その飢えた子供達をなんとかしようと、『世界の偉い人達』が集まって会議を開いたとしよう。
 そこで、日本の子供は好き嫌いばかり多くて給食を残すぐらいなんだから、1日2食で十分ですと偉い人達が決めて、とりあえず日本の子供の給食を無くす事にしてみた。
 その給食の分の食料は世界の飢えた子供達に分け与えられ、多くの飢えた子供の命が助かった。
 だが、どうだ。日本のあんたら子供達は、給食がなくなって昼休みはただの長い休憩時間になってしまった。
 1日2食と決められちゃったから、オヤツも買い食いも禁止。
 昼休みが終わったら、何も食べないで授業。
 しかも体育だっ!
 さー、どうする!?」

「お腹すくと思います」

「そうだな。
 でも、その程度の空腹で、飢え死に寸前の子供達の命を救えるなら安くはないか?
 人間1人の命は、だって地球より重いんだろ?
 だったら1食ぐらい平気で抜けるよなぁ。
 ただし、そういう世の中になったら、もう一生おひる禁止だ。
 死ぬまで、おやつも買い食いも禁止で、朝飯も夕飯も決められた量以上は食べられない。
 それでもいいかい?」

「私はいい。私はそれでいい。それで、たくさんの命が助かるなら給食ぐらい我慢する!」

「あんたはそれでいいとして、他のみんなはそれで納得するかな?」