墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

平成マシンガンズを読んで 39

2006-09-15 20:03:44 | 

「近所の野良猫と同じだよ。世界の飢えた子供は。
 民主主義のシステムでは絶対に飢えた子を救えない。
 民主主義は、平等の権利を保証するが、平等には作用しない。
 民主主義は、平等に取引をするだけの資本を持つ者か、声が枯れるまで叫び通す者にしか平等の権利を与えない。見えないもの、聞こえないものは、ないものとしたがるのが民主主義だ。
『自分の経済活動で得た金を好きに使う自由』
『1日に何かい食べてもいい自由』
 これを自由と認め、保護するかぎり、飢えた子供を救う政策は絶対にとれない。力のある者の権利を認め続けるかぎり、飢えた子供なんて無視するしかないんだよ」

 死神はグビッとビールをあおり、続ける。

「そして、地球の資源にはかぎりがある。
 資源とは食べ物や化石燃料だ。これらを、もし人類に平等に分け与えられるなら、一人当たりの使用量は極端に減るだろう。
 環境問題が、生態系のトップである人間が住み良い環境を基準としているように、人口問題も、金持ちが住み良い世界を基準としている。
 どんなに、きれいごとを言っても、日本人として居るだけで『金萬国家・日本国』の恩栄を受けている。
 他国の飢えたガキなんて、野良猫と同じだ。見て見ぬフリしてやりすごせばいいんだよ。他国のガキが何人死のうと、自分にゃ関係ない。
 ちゅーか、下手に餌やると増えすぎて手におえなくなる可能性もある。
 日本の子供の将来だけを考えるなら、世界の人口問題は深刻な問題だ。下手すると、将来の日本の子供の食い扶持を奪われる危険性すらある。
 飢えた子供への募金など、将来的に見れば、未来の『日本国』への反逆行為だ。死んじまうガキなんてほっときゃいいんだよ。むしろ死んでくれたほうが未来の日本の子供達の食い扶持を増やせる。
 野良猫なら、ゴミ箱あらして糞するだけですむが、人間が必要以上に増えれば、近い将来に自分たちの食い扶持を侵食する」


平成マシンガンズを読んで 38

2006-09-15 19:07:38 | 

「平等と、平等の権利では違う。
 まず、オギャーと産まれた時点で人間の出来は違う。それは本人の生まれつきの容姿や才能なんてもんにあらわれる。
 次に、産まれた子供を育てる親だって色々だよな。親の財産に親の教養、親の家柄とか親の教育理念。子供にゃ親は選べん。ただ、オギャーって親のもとに生まれたってだけで、はじめから差がついちまう。
 スタート時点で、すでに赤ん坊は平等ではない。あるのは、必ず死ぬという平等のゴールだけ」

 死神の話を聞いていながらも、私は死神の言葉に反感を感じていた。
 言っている事は間違っていないかもしれない。しかし、どこか私の心のトゲを刺激する。

「ただの平等ならば、誰もが等しいってこと。
 平等の権利とは、平等に権利があるというだけの話。
 誰でも平等に生きる権利がある。
 ただそれだけなのさ。
 以外にシビアなんだよ民主主義は。
 国民主権で、商業活動が自由であるなら、資本主義になるのは当然だ。
 暴力をともなわない等価な交換は、商売における平等だ。平等な取引は平等を建前とする社会において正義とみなされる。
 だが、この事は同時に、取引に値するモノをもたない人間の取引の場からの排除を招く。
 カードゲームでカードを1枚も持たない子には、そもそもカードゲームに参加する資格がないのと同じ事で、文無しは経済活動における『平等の権利』の枠外に放置されてしまう。
 民主主義と資本主義は本来ちがうモノで、社会主義の資本主義だってあるのだが、民主主義の平等な権利という考え方はたちまち資本主義に結びつき、個人の利益の確保という面のみに平等の権利は向かいやすい。
 民主主義の世の中では、誰も個人の『毎日3食たべる権利』を剥奪できない!」

 うう、言っている事が良く分からなくなってきた。がんばらないと。

「なんで、世界には飢える子供がいるのか?
 三つの理由がある。
 はじめに、その子供の所属する共同体が、資本主義から見捨てられているからだ。平等に交換できるだけの資本をもつ相手と資本主義からみなされていないから見捨てられてしまう。
 さらに、その共同体が労働力としても使いにくいとなれば最悪だ。その共同体の所属する国が戦争中だったり、人だけ沢山いても近場に労働させる場所がなかったりすると、資本主義はそんな連中はいないものとしてほっとくしかない。
 その上に、その共同体が自給自足できない状態なら、子供が飢えるのは当然だろう。
 じゃぁ、なんでそんな最悪な環境に産まれる子供は多いのだろう。
 理由は娯楽がねぇからだ。仕事も金もない、あるのは、ありあまるほどの人しかないんじゃ、セックスぐらいに娯楽はない。
 さらに本能的に、死に直面してる人間ほど生存本能的に子供を残したがる。
 なんにもなくて、人間ばかりいる場面で最後に残された娯楽は、セックスしかない。
 金も無く、教育も満足に受けなかった大人に、避妊道具やら避妊の余裕もない。そんな大人がボロボロとガキを産むのは自然の摂理だ」