現代でもっとも刺激的な環境問題
今、世界で本当に起こっていること
トーマス・M・コスティジェン著
棚橋志行訳
楓書店
自分の関心がある項目のみ、読むだけでも勉強になります。
ぜひ、夏休みに読んでください。
目次です。
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1、沿岸部大都市がもたらす恐るべき未来・インド ムンバイより
2、天然資源開発と森林消滅の衝撃・ボルネオ島より
3、地球上でもっとも汚れた都市・中国 臨汾より
4、世界中のごみが集まる海域・太平洋「東部ごみ海域」より
5、消えゆく自然の酸素工房・アマゾンのジャングルより
6、廃棄物に覆い尽くされた地・ニューヨーク、フレッシュキルズゴミ処理場より
7、水没する村・アラスカ、シシュマレフ村より
8、世界を襲う深刻な水不足・ミネソタ州ダルーズ、五大湖より
9、聖地が地球温暖化に警鐘を鳴らす・イスラエル、エルサレムより
10、私たちが自宅からできること
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私が興味を持っているのは「4・世界中のごみが集まる海域」
なぜなら、その海域に漂っているゴミの大部分がプラスチックで、その中に多くのポリエチレン製品が含まれているから。
ポリ袋が海に漂っていると、どんな問題があるのか?
それは、分解することができないことです。
太陽を浴びて、波にもまれ、魚に突かれ、次第に小さな断片にはなります。
だが、決して自然に戻ることはないのです。
小さくなった断片は、海洋生物が誤食して、命を落とします。
そして、私が死んだ後も、断片は海を漂っていることでしょう。
罪の意識を持たず、川にポイ捨てしたレジ袋が、海に流れ出ることもあるでしょう。
また、ゴミ集積場から、風に飛ばされ海に行き着くこともあります。
海を漂う、レジ袋は、増えることはあっても、減ることはないのです。
こんなに恐ろしいことはありません。
さらに、恐ろしいことが、本書には書いてあります。
海を漂うプラスチックにより、地球温暖化を加速させる可能性があるのだそうです。
私は、生態系に疎いので、必ず本書で確認して欲しいのですが、植物プランクトンの光合成に齟齬を与えるようです。
二酸化炭素が海水に溶け、植物プランクトンが光合成をして、動物プランクトンに捕食される。
で、動物プランクトンが糞をして、その糞が、海底へ沈んでいきます。
これが、正常な流れのようですが、プラスチックゴミが太陽光フィルターの役目をして、植物プランクトンの光合成を邪魔する。
本文では、このように結んでいます。
「簡単に言えば、プラスチックは海が大量の炭素をしまい込むのを妨げ、地球が自然な状態より速く温まる可能性があるということだ」
私が出来る事は、ポイ捨ては絶対しない。
マイバックを活用する、ゴミは責任をもって処分する。
砂粒みたいに小さいことしか出来ませんが、続けることで大きな力になると信じています。
最後に感慨深い一文で締めたいと思います。
「とにかく、地球はすごく……つながりあっている。地球上でいちばん遠い島へ行っても、そこにはごみがあるんだ」
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