お墓への納骨完了
石の扉を開けたら骨壷が二つ、どうもそのままでは良くないらしい
取り出して大きい方のふたを開けた
ふたの裏側に弟の名前があった
石の中に撒くのが本当らしい
初めて直接弟の骨に触れた
もう涙は出なかったけど 涙を流した日のことを思い出した
18の僕と12の弟
僕は予備校に通ってた 弟は6年生だった
野球部の後輩で投手だった 残念ながら強いチームではなかった
八月初めの大会に破れた
ある朝 布団に血が付いてる
どこからの出血かわからなかったが診察してもらって初めて歯茎からのそれだとわかった
小児科へ行き精密検査
なにも心配なんかしてなかった家族に告げられた病名は 急性白血病
手を伸ばせばいつだってその手に触れることができた弟はたった3週間で帰らぬ人になった
もうどんなに呼んでも叫んでも何も返してくれない
あんなに近くにいたのに一瞬のうちにもう届かない遠い所へ行ってしまった
その理不尽が許せなくて 神様を恨んだ
18の僕は泣いてばかりいた
一年間欠かさずに弟のためにお経を読んだ
しょっちゅうお墓に行って話しかけた
「僕がこの家のお父さんになる」弟の言葉を真に受けていたわけではないがそのつもりで受験しようとしていた僕は
木工所のオヤジになることを決めた
もう36年も前の話だ
弟の骨を見て思い出した
いつも彼に恥ずかしくない人間になろうとしてきたけどどうだったんだろう
ごめん親父 親父よりもひろちゃん思い出しちゃった
親子でなにを話したんだろ・・
石の扉を開けたら骨壷が二つ、どうもそのままでは良くないらしい
取り出して大きい方のふたを開けた
ふたの裏側に弟の名前があった
石の中に撒くのが本当らしい
初めて直接弟の骨に触れた
もう涙は出なかったけど 涙を流した日のことを思い出した
18の僕と12の弟
僕は予備校に通ってた 弟は6年生だった
野球部の後輩で投手だった 残念ながら強いチームではなかった
八月初めの大会に破れた
ある朝 布団に血が付いてる
どこからの出血かわからなかったが診察してもらって初めて歯茎からのそれだとわかった
小児科へ行き精密検査
なにも心配なんかしてなかった家族に告げられた病名は 急性白血病
手を伸ばせばいつだってその手に触れることができた弟はたった3週間で帰らぬ人になった
もうどんなに呼んでも叫んでも何も返してくれない
あんなに近くにいたのに一瞬のうちにもう届かない遠い所へ行ってしまった
その理不尽が許せなくて 神様を恨んだ
18の僕は泣いてばかりいた
一年間欠かさずに弟のためにお経を読んだ
しょっちゅうお墓に行って話しかけた
「僕がこの家のお父さんになる」弟の言葉を真に受けていたわけではないがそのつもりで受験しようとしていた僕は
木工所のオヤジになることを決めた
もう36年も前の話だ
弟の骨を見て思い出した
いつも彼に恥ずかしくない人間になろうとしてきたけどどうだったんだろう
ごめん親父 親父よりもひろちゃん思い出しちゃった
親子でなにを話したんだろ・・