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『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

トム・ソーヤってこんなだったの!?

2017-07-04 19:07:35 | アメリカ文学


『トム・ソーヤの冒険』(1952年)マーク・トウェイン作 石井桃子訳 岩波少年文庫


児童文学あるある。

有名すぎる or アニメ化されたものは読まない

まさに。有名すぎて、知らない人はいないであろう『トム・ソーヤの冒険』ですが、私の場合はアニメでインジャン・ジョーが怖かった印象が強すぎて、その後読む気になれませんでした。例え読む気になっても、あらすじ知ってるのって後回しになりがちなんですよねえ

今回読んだのも、東京子ども図書館の読書会での課題図書だったからでした。表紙絵はノーマン・ロックウェルだったんですね!学生時代好きで、部屋中にポストカード貼ってました

あ、図書館で借りようとされてる方、岩波文庫でも緑色の古い版は挿絵がほとんどないので注意です。借りるなら、少年文庫版、できればピンク背表紙のが一番読みやすいそうです。ブルー背表紙も挿絵の多さは変わらないそう。

さて、トム・ソーヤ。読んでびっくりしました。こんな悪ガキだったの~(笑)。でも、ホント愛すべき悪ガキなんです!
転んでもたたでは起きない。このくったくのなさ。悪意がないんですよねえ。どうしても、好奇心から色々やっちゃう。やめられない。男子あるある

正義感の固まりだった昔の私だったら、トムのこと受け入れられなかったかも
でもね、今は読むとほっとするんです。ビバ悪ガキ!なんだかうちの子どもたちが受け入れられたような気がして(笑)。トムはいつも面白いことを探していてる。退屈は敵。いいなあ、いいなあ

参加者の方のお一人は、「これ読んでやっと夫に人として認められました」というくらい、旦那さまにとって、この本はバイブルだったそう。The文学青年って感じのワンレンの若者男子は、トムの心境に寄り添えず、トムとの間に距離感じすぎて、「トム先輩は~、」と呼んでいたのには爆笑しました

そうそう!って頷いたのは、本当は読んで一番共感するであろうやんちゃな男子たちは、本なんて読まないであろうというご意見。本なんか読む暇あったら、虫追っかけてるか木に登ってますよね

うちの子たちね、アニメのクレヨンしんちゃんが好き(←親は嬉しくない)なのですが、これってね、見てて安心するからなんじゃないかな、って思いました。下品でもいいんだ、はちゃめちゃでもいいんだ、って。自分たちが許されないことしんちゃんは平気でやってるから痛快。
トム・ソーヤもそれと同じじゃないかな、って。みんなの願望を形にしたら、トムになる。

なので、読み聞かせようかと思います

そして、読んでもらいたいのは、そんな男子たちを白い目で見ている女子や女子母たち。男子ってこんななんですよ~。永遠のみんなの憧れトム。でもね、それ以上にみんなが夢中になり、かっこいいというのが、実はハックルベリーの方なんです。こちらもまだ読んでいないので、楽しみです

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