皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

片手落ち

2009-06-12 19:22:15 | 認知の歪み

報道機関等ではこの言葉を差別用語としているそうですが、そもそもの日本語として「片+手落ち」ですので当ブログでは正当な日本語として表記します。

いくつかやっている浮き世の世界での活動のうちの一つで、タイトル通りの出来事に遭遇しました。
意外とよくある話なのかも知れません。
経営者、常勤社員 VS 非常勤職員 といった構図。まあワタシのような存在は末席のさらに末席といったところで。

最近の日本は、なんだかんだとアメリカ式になってきてるので、法令遵守(compliance)っていうのが明文化されがちなのですが、実際のところは日本国憲法を遵守していなかったり、笠に着て法の抜け穴を使ったり、小さなコミュニティにはそのコミュニティ独自の法令があったり、実はそれがあっても建前上のものと本音の部分には大きな隔たりがあったり、道徳的にはおかしなことがあったり・・・etc...

ワタシはこの部分に関して、まだ自分の中できちんと纏まっていないので書いてなかったのですが、日本の文化は曖昧さをよしとする文化であり、そのベースに義理・人情という一大テーマがあったりするわけですが、最近はそこがごっそりと削り取られてアンバランスになっていること、そもそもワタシ自身が「アスペルガー症候群」と今現在言われてしまっている状態であり、ワタシがそこを突っこんで良いのかどうか非常にビミョーな状態でカラカラと小さな脳が頭蓋骨の中で音を立てて転がっています。


さて、ここからは仮想の話として。

アルバイトとして接客業をしているとします。
契約はオーナーと交わし、オーナーからそのお店でのルールを聞きました。
ワタシの役割はオーナーが店の経営を任せている雇われ店長の下での接客。
オーナーのルールとは異なった店長ルールというものも存在します。

オーナーはお客様あっての仕事だから、お客様満足度第一だと言う。
不機嫌そうなお客が来店したのだが、どうやら常連さんらしい。
イライラしながらハンバーガーセットを注文している。
こういうお客さんは何人かいるらしく、そのヒト達の接客はワタシがすることになったりする。
コソッと話を聞いてみると、店長の悪口を言っている。なんだか昔一悶着あったみたいだ。顔を合わせないように奥に引っ込んだのかと思ってた店長を見てみると、焼き上がったパティに“唾をトッピング”しているのを目撃。どうやら常習らしく、他のバイト仲間も見て見ぬふりをしているらしい。
唾のトッピングされたハンバーガーを、「まずいまずい」と言いながらそのお客さんは頬張っている。

ちなみにうちのお店の食品衛生責任者は店長で、店長はうちの食材の品質を売り物にしていたりする。
唾なんてのは、焼きたてのパティの上では目に見えない。
なるほどオーナー目線で見てみれば、厄介な客を相手に巧く切り盛りしている店長の手腕を高く評価するかも知れない。
実は過去に何度も釣り銭計算を間違えて、足りない釣り銭を支払い続けていたのは店長らしい。しかもそれを指摘された際に逆ギレしているという有様。それがほんとか嘘か、釣り銭間違えが常習らしいことだけは事実らしい。
仕事が終わってから、店長からそのお客の愚痴を聞く事になる。
「次来たらゴキブリ入れちゃえ」なんていう、冗談か本気かビミョーなことを言っていたりする。釣り銭集計で毎日計算より多いお金が出てくるのだが、どうなってんのかよく知らない。

あんまり腹に据えかねて、ある日店の中で店長に激怒。
客商売でお客様の前で小競り合いを演じた張本人はワタシである。

後日、オーナーの事情聴取。
店長は突然若造が店内で暴れ出したという。
その日たまたまシフトに入っていた従業員は、見なかったことにするか、何にも知らないことにしておくか。まあ、仕事上店長に逆らうのはまかり間違っても自分自身の不利益になったりすることは、20歳過ぎなくても知っていたりする。

起こった出来事で証明できることはほとんどない。
末席のバカがなにかに逆恨みして仕事中に切れたと写るのは、ある意味当然でもある。
そもそも見た事の事実をありのままに話そうが、話すまいが、クビ確定であったりする。
そういうものを見てしまった時、周りのアルバイト仲間と同様に、見なかったことに出来る脳が存在しないワタシの様な人種はこの世界では生きづらい。

そもそも「唾トッピング」のハンバーガーがその客の口に合っていれば、顧客満足度的には高かったりもする。
どこに合わせようとしても、結構辛い。
自分自身であろうとすると、こういう場合に浮いてしまう事もある。

実はピクルスの市場価格が高騰したのでうちの店では入れていないのだが、メニュー表の写真にはしっかり写っていたりする。
店長はやっぱり今日も店長である。接客のアルバイトなら募集広告を出せばいくらでも集まったりする。愛想のない坊やのかわりに綺麗なお姉さんがきたりなんかするかも知れない。
いずれにしても、ストレスが溜まる職場だったりするし、いつかは爆発して結局クビ。
片手落ちであったりする。その日受け取った給料袋の中身は計算上の半分もなかったりする。アルバイトの勤務時間集計をしているのは店長なのだから、自由自在である。まあ、それほどまでにオーナーは店長を信頼しているのだろう。
全部喋っちゃって、それが事実であり店長がクビになったら、そうなりゃそうで恨まれたりするだろう。そもそも一悶着で恨まれてるんだから、ギリギリクビが繋がった場合、あとに残った世界は「渡る世間」だったりする。
全てが妄想であったとしても、やっぱりお肌によくない。



ワタシは経験上、このようなことで苦い思いをしているヒトがこの世の中には意外といるような気がしている。

【2009.06.14 0:15 追記】はあ、この件で空いてしまった時間の仕事を探さなきゃ。色んなものを掛け持ちするのはムリなのかなあ(でも生活していかなきゃね。



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4 コメント

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夏になって (風子)
2009-06-12 20:32:58
冬眠からやっと覚めたので久しぶりに覗きに来ました

うう...そのシチュエーション...文章読んでるだけで目の前に光景が現れちゃって思わず店長に殺意が芽生えました(爆)
そんな時、見て見ぬふりを出来るのが大人の常識なら、きっと私は永遠に大人になれないだろうなぁと思います。


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仮想のお話 (はるぼん)
2009-06-13 21:33:54
こういうパターンって、程度の差さえあれやっぱり躓きどころだと思います。
オーナーのルール。
これが本来なら全体のルールなわけなのですが、個人ルール(店長なり上司なり)のルールは暗黙の内に存在し、暗黙の内に従わなければならない。
それが、経営者側の意図とはかけ離れる結果となっても。。。
ましてや接客業などお客さまを目の当たりにして、その意見が末端まですぐ届くような現場では、混乱度は増すでしょう。
だって、筋が通らないんですもの。
お客様は神様なのは経営者のお話。雇われている身分はやっぱりお金をくれる人、経営者が神様なわけであって、出来たら経営者のルールが全体ルールならば、しっかり働けるんですよね。(そうすればお客様が神様にもなる)
意味が違うけど、中間管理職・・・この立場の人はルール作りをしてはいけない。
ルールを分かりやすく再分化するのなら分かりますけどね。別もんにしてはいけない。
と思うわけなんですよ・・・

でもこういうパターン、ものすごく多いと思います。(日本人ならではなのかな?)
しっかし、仮想のお話の店長さん、飲食店を任せられてる人としては問題外ですね~
証拠写真を撮って、まずはオーナーにこっそり見せてあげたいですね。(匿名で・・・)
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大人になれない (pluto)
2009-06-13 23:59:33
>風子さん
こんばんは。夏女でしょうか(笑
書いた記事は舞台設定からしてかなり脚色してるんですが、マジ殴ってやりたいと思いました。
見てみぬフリってなんでできるんでしょうね?
ふむー、大人ってそんなんじゃないぞー、って粋がってみても「お前がガキなんだよ」って返しをされることが目に見えてるー
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やっぱりありますか (pluto)
2009-06-14 00:16:14
>はるぼんさん
こんばんは。
こういうの困るんですよね。ワタシの弱いとこでもでもあるので。
言ってること違うじゃーん、と言ってみても煙たがられるし、一方のルールを守っていたら、一方からお叱りを受けるし。あああ、ワタシこのパターンにはまることが多いです(キャラもあるんでしょうが。

>ルールを分かりやすく再分化するのなら分かりますけどね。別もんにしてはいけない。
これね、そうして下さいと、平にお願いしたいです。

仮想の話なんですが、オブラート100枚くらいでくるんで核心以外の場所を話しておきました。
いずれどっかでボロが出たり、気付いたり、クレームが来たりするでしょう。
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