あくまで一素人の私見ですし、多くの方は対症療法に主眼を置かれてるでしょうから、こんなの考えてるヒトもいるよ程度に適当に流し読みして下さい。
ワタシ個人は、現時点では自閉症もアスペルガー症候群も脳機能障害だと思っています。脳梗塞などの器質性脳障害とは一線を画し、キム・ピーク氏に代表されるサヴァン症候群と呼称される方々は先天性の器質性脳障害として自閉症ともアスペルガー症候群とも一線を画するという認識です。
【2009.06.20 追記:専門機関にかかり、脳画像解析の臨床・分析の専門家に巡り会えた場合、各部位の健常と呼ばれるヒトとの相対的な比較により臓器部位の大小は判別できるとところまで、専門家の諸先生方のご努力から判明するみたいですが、先述のキム・ピーク氏などは脳梁の欠損、特異と呼ばれる能力にばかり目を向け、彼の私生活の様々な困難には言及しない、というスタンスに少し違和感を感じています。現在は個人差として器質性・機能性双方の障害を有しているヒトがいる可能性はあると思っていますのでやや自己内修正です(反省】
また、前頭葉、海馬、脳梁、小脳の機能障害、各部位の変形・萎縮などは先天的でなくても起こりうるだろうというスタンスです(絶対先天性だ、と仰る方の逆鱗に触れるようでしたらすみません)。
ミエリン鞘と呼ばれる中枢神経からの神経パルス伝導機構の形成不全原因説も有力視され研究も進んでいるみたいですが、副腎白質ジストロフィーに代表される進行性難病とは一線を画していますし、進行性ミエリン鞘崩壊の要因と乳幼児期のミエリン鞘未発達の違いがありますので、一概にはここに原因論を求めるのは早計なのではないかと思っています。
副腎白質ジストロフィーに関してはX連鎖性劣性遺伝形式が有力で、X染色体を1つしか有しない男性の罹患率が女性に比して圧倒的に多いという現状は、自閉症児者の男女比率とも類似し、遺伝要素というのもありうるでしょう。
進行性という点を考慮しないで症例を見てみると、知能低下(学力の低下)、行動の異常(学校の落ち着きのなさ)、斜視、視力・聴力低下、歩行時の足のつっぱり、コミュニケーションの困難、知覚障害、尿失禁etc...
中枢神経系の脱髄のみにフォーカスを合わせると、類似点は感じなくもないです(副腎白質ジストロフィー当事者、関係者の方のお気に障るような内容でしたらすみません)。
ミエリン鞘関連では多発性硬化症という中枢神経疾患も知られており、ヒトヘルペスウイルスまたはレトロウイルス)活性化と表出が二次性免疫反応を誘発するとされている。
病理としては、上下肢,体幹,一側顔面の異常感覚;下肢や手の麻痺や巧緻運動障害;視覚障害,例えば部分盲と片眼の痛み(球後視神経炎),視覚のかすみ,暗点などである。その他よくみられる早期症状としては,複視を引き起こす眼筋麻痺,一肢または多肢の一時的筋力低下,肢の軽度の硬直または異常な疲労感,軽い歩行障害,膀胱制御困難,めまい,軽微な情緒障害がある。感覚異常,しびれ,および感覚鈍麻、尿意切迫または排尿躊躇,部分的残尿,または軽度の失禁および便秘などが見られる。
この様に見てくると身体症状としての中枢神経疾患は、一部自閉症関連で指摘される病理症状と酷似し、先天・後天は考慮しないにしてもかなりの身体的負担が強いられていることが予想できるのではないでしょうか。
学術的研究(AD/HD対象であるところが、自閉症・アスペルガー症候群とAD/HDの起因の差異を示しているようにも見受けられる)として、以下のような研究成果が報告されています。
・軸索およびシナプス形成の促進による神経変性疾患の克服
-治療薬開発と病態機序の解明に向けて-
Overcoming several neurodegenerative diseases by axonal and synaptic formations
-the development of therapeutic medicines and unraveling pathophysiological mechanisms-
東田 千尋 Chihiro Tohda 女史
富山大学・和漢医薬学総合研究所・民族薬物研究センター・薬効解析部 助手
参考URL:http://www.inm.u-toyama.ac.jp/arcem/Tohda%20Award.html
AD/HDに関連するシナプスの減少とミエリン化axonの形成不全と相関性とインド人参)から同定した化合物による薬物療法へのアプローチ。
・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の神経学教授、ポール・トンプソンが率いる研究班は、新型の脳スキャン装置を使って、知性が脳の神経線維(軸索)ーー脳の至るところにシグナルを送る配線ーーの質に強く影響を受けることを明らかにした。
参考URL:http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-03/uoc--sgm031709.php
高度の完全性を持つ髄鞘の成長を促進する遺伝子を特定できれば、遺伝子の活動を拡大したり、遺伝子がコードするタンパク質を人工的に加えるなどの手段につなげられる。そうすれば、髄鞘の退化を伴う病気である多発性硬化症、自閉症、注意欠陥障害(ADD)の治療をすることができる。試験に合格するため知能を向上させるといったことも、「可能な範囲」だとトンプソンは考えている。(引用訳文)
最後のコメントは個人的にとても危険な臭いがしますが・・・
ワタシは、精神病と包括して総称される各種精神疾患も病理学・疫学的には、脳機能障害だと認識している。脳の機能は内的・外的・心因的要因によって変化するし、環境によって増幅も軽減も当然するという考え方を持っています。
ワタシ個人のことを挙げると、遺伝的要素、出生児の状況、初期発育の不全、先天要因、環境要因、家庭環境、学校環境、社会環境.......
諸々の要素が絡み合って、今の状態があると思っています。
言い換えると、診断されたという事実は現状困難を抱えているとしても、生き方や考え方や環境整備で、より生きやすい生活を送ることが出来る可能性は意外と高いだろうというのが、ワタシの予測です。当然それなりの努力は必要でしょうが。
ロボトミーなどの精神外科・脳神経外科的手術の技術が進んだとしても、ワタシは拒否すると思います。
研究は研究で素晴らしいが、脳・脳・とはやし立て、脳をいじる事に走り出すヒトが増殖するより、オリバー・サックス氏のような臨床的観察者に出会うことを願いたいです。
難しい問題です。
大人の場合はともかく子どもの場合は特に・・・
近い未来の事を考えると、恐くもなります。
ああ、子どものころ「カッコーの巣の上で」を見て驚愕したのを覚えています。
死んだほうが何十倍もマシ。
自閉症もいろいろな要因が積み重なって発生しているのでしょうね。環境の問題は身にしみます。
勉強になりました。ありがとうございます。
こんばんは。
私見ですが自閉症周辺(てんかんの頻発等除く)のみでしたら、お薬も根本的治療効果はないでしょうね。
日本でもチングレクトミーという脳外科手術を受けられた方がいらっしゃったりします(1979年)。
「カッコーの巣の上で」や「時計仕掛けのオレンジ」の描写も今公開中の「彼女の名はサビーヌ」もヒトごととは思えない心情もあります。
この手の記事は親御さんの立場では身につまされる思いもあるでしょうから、深く読んで悩まないで下さいね。
>診断されたという事実は現状困難を抱えているとしても、生き方や考え方や環境整備で、より生きやすい生活を送ることが出来る可能性は意外と高いだろうというのが、ワタシの予測です。
この部分、非常に共感できます。生き方や考え方や環境整備でかなり変わると思います。
こんばんは。
診断されたことって、通過点というか変換点なのかも知れないですね。
より生きやすく、自分自身考えていきたいです。