西の魔女が死んだ <The Witch of The West is Dead>

心に残る小説・映画を観るのは本当に嬉しい瞬間です。

『西の魔女が死んだ<The Witch of The West is Dead>』

梨木 香歩　(著)

監督・脚本：長崎俊一
配給：アスミックエース・エンタテイメント

公式ＷＥＢサイトhttp://nishimajo.com/top.html

子ども時代から、倉本聰氏の「北の国から」に触発され、
学生時代、浦沢直樹氏の「MASTER KEATON」に憧れ、
宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」にググッとき(紅の豚は別の意味でお気に入りです^^)

どうやらワタシはこの手の世界観に憧れを抱き続けてきたのでろうな。
というのは、ワタシ自身も感じ、ワタシを育ててくれた親も感じていたようです。

慌ただしい日本の現代社会も一つの社会ですが、
その一方で、今作の『西の魔女』の生き方、考え方は、大切なことを沢山教えてくれる存在だと思います。

直感は大事にしなきゃだめだけど、直感にとりつかれてはいけない。
正しいか、間違っているかはわからないが、疑惑の真相を究明し、正しいことが立証されても、それはまた新たな憎しみや憎悪を生んでしまう。

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。



魔女とは草木についての知恵や知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す力を持つヒト。

規則正しい生活をして、食事をしっかりとり、よく運動し、植物を育て、風をうけ、光に照らされながら自然の中で生きる。

それは、ごくごく当たり前のコト。

その当たり前の日々を送ることが、ヒトの温もりや無条件の愛情、感謝につながり、
現代社会に疲れたヒトの心を解きほぐす。

三年前に社会からリタイア宣言をしたとき、思い描いたのは、この『西の魔女が死んだ』に描かれている情景のような気がしました。

日本人にはアイヌ人の血脈が入っていたりします。
なにせ北海道から屋久島あたりまで、もともとアイヌ民族の土地だったのですから。

ワタシがアイヌに魅了されるのも、ケルトに共鳴するのも、そういうところなのかも知れません。日本男児であることは終生かわりはありませんが。

ワタシの残りの人生はもう余生ですが、
この映画の『西の魔女』のように生きていく方法を模索し続けるのだと思います。

寒い冬に日だまりで暖まり、暑い夏に木陰で涼む。
ワタシにとっての幸せとは、そういうことだと再認識。

その前に、表現したいことがあるので、なんらかの形で表現すること。
そのための力をつけるために、今動いています。
魔女にはなれませんので『東の錬金術師』くらいでしょうか

西の魔女に限らず、日本には身近に多くの魔女が存在すると思います。
子どもの心を溶かすのは、その身近な魔女なのかも知れません。
 

ワタシ個人として、この映画はとってもオススメです。