ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

絶景の浄土平(2) 姥ヶ原~浄土平

2012-07-03 13:27:45 | 登山(東北南部)

【6月30日(土)】
姥ヶ原→浄土平


鎌沼を後にして、チングルマ咲く姥ヶ原へと向かう。

まずは姥ヶ原の西端におわします姥神様に御挨拶。
谷地平分岐、駕篭山稲荷神社分岐を見送り、そのまま東吾妻山分岐を目指す。

チングルマはもう終わりと話していた方がいらしたが、日当たりの良い場所はそうでも
日陰を覗いてみると、まだ咲いたばかりの花や、蕾を持っている株も多い。

今年は季節の移ろいがゆっくりで、姥ヶ原のチングルマ開花も例年より遅れ気味。
この時期になってもきれいな花を楽しめて、幸運だった

チングルマは花が終わると、花の中心部が伸びて放射状に広がり、風車のように開く。
日当たりの良い場所の株は、既にその準備をしているものが多数見られた。

東吾妻山への分岐を見送り、浄土平へ戻る。

チングルマの群落を眺めながら歩く。

酸ヶ平などの湿原や、姥ヶ原などのように裸地化が進行してしまった場所には木道が敷かれている。
いったん破壊されてしまった地面は自然回復が望めず、人の手で植生復元作業が行われても
再生するまでには、それはそれは長い年月がかかる
人の足で壊しておいて、人の手で復元作業をしているのだ
壊す足の持ち主と、復元する手の持ち主は、異なることがほとんどだろう。
木道ですれ違う時に木道から下りてしまったり、ちょっと開けた場所では木道を下りてしまう人も多い。
木道は、たんに歩きやすくするため、人のために設けられているのではなく
地面を踏まないで歩いてほしい、地面を踏んでは困る要因がある、という意図を持って敷かれている。
登山者は、そこをよくよく承知して歩いてほしい。
駐車場から小一時間も歩けば来られるような山上は
ちょっとその気になれば、スーツに革靴履きでアタッシュケースを持った人や(実際に見たことがある
普段は山など歩かないような人がサンダル履きでやってきて、その数は一昔前とは比べものにならない。
木道をすれ違うときだけでなく、花を見たい、写真を撮りたいなど
何の気なしに一人がすれば、その一人の陰に何百人・何千人…の一人がいる。
木道は、歩きやすくするため、人のためにあるのではないことを、肝に銘じてほしい。

チングルマに彩られた東吾妻山。

鎌沼と前大巓、その奥に一切経山の禿げ頭が見える

鎌沼畔に沿うように巡る道を合わせて、蓬莱山と東吾妻山の鞍部を行く。
この時、10時。
まだ雲は上がってこない。

南に眼をやれば、高山(山頂の電波塔がなんとも悲しいね)の向こうに、安達太良連峰が見える。
今日はどこも登山日和だろう

ゴゼンタチバナは、まだ総苞が緑色をしている。

オオカメノキ

蓬莱山の斜面に設けられた木段を下りながら眺める一切経山は、ぴすけ好みらしく
季節を変えて、毎度毎度ここで同じような写真を撮り続けている

樹林帯に入れば、マイヅルソウの群落があり、浄土平は近い。
登山者カードを出したポストに到着したのが、10時30分。
3時間30分のかなりゆったりした散歩だった(これなら東吾妻山も行けたか…)。

浄土平湿原のワタスゲが、すごいことになっているという情報を得ていたので
ダーリンの待つ駐車場には向かわず()、湿原を散策。
マルバシモツケが咲き始めている。
そろそろ夏の花の出番だ。

うわさに違わず、これはすごい

「キャーきれい、きれい真っ白だよ~
子供達が歓声を上げてワタスゲの原を目指す。
後から来た子供達のお母さんが言うには、今年は冬に雪が多かったため
春先に霜の被害を受けることが比較的少なく、植物がきれいなのではないか、とのことだった。

ワタスゲ、可愛いな~


最後の仕上げは、転ばないように気を付けながら、ホクホク気分でダーリンの待つ駐車場へ。
既に起きてどこかに行ってしまったのではないかと車内を覗くと、まだそこには「眠る男」がいた。
ぴすけが戻ったことに気付いたダーリンが、のっそりと起き上がった。

身支度を整え、浄土平ビジターセンターでこの日まで開催していた
「Railways ~福島の自然と人とともに~ 山崎友也 鉄道写真展」を見学に行く。
既に友人のブログでスライドショーを拝見していたのだが、やはり紙っていいな~。
写真を見ていると、隠れ鉄道好きとしては、猛烈に只見線に乗りたくなってしまう。
「うーうーうー、だだみせんー


友人とちょっと立ち話をしてから、早めのお昼を食べにレストハウスにあるレストラン・サペレ吾妻へ。

1日30食限定の「わっぱめし定食」。
これについているつゆが「会津こづゆ」と呼ばれる郷土料理で、大変おいしいのだ。
以前は、レストハウス1階のフードコーナーでもこづゆが食べられたが、3年ほど前にメニューから消えた
以後は、レストランでわっぱめし定食を注文するか、お土産用のレトルトしかなく
こづゆ好きが高じてレトルトを買い求めたものの、その味に満足できなかったため
こづゆ目当てのぴすけは、レストランではわっぱめし定食だけを食べ続けている、というわけだ。
今度自分で作ってみるか(そのくらい好き


食後に、この日の上天気と展望について、ダーリンに熱弁を揮ったぴすけは
撮ってきた写真をダーリンに見せた。
いつもは楽しみをとっておきたいと、帰宅するまで写真を見ないダーリンが、珍しく写真を見た。
「…
                                                          (つづく)



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