ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

春の東吾妻山と鎌沼

2016-05-08 23:00:50 | 登山(東北南部)

5月6日(金)

2日から吾妻小舎にお手伝いとして出動していたぴすけとダーリン
5日の夜は宿泊客がいなかったため、6日は朝食の後片付けを終えたら山支度。
ちょうど管理人の高橋さんが浄土平ビジターセンターに用事があると言うので
浄土平まで高橋さんの車に便乗して、8時40分にビジターセンター裏の駐車場を出発。

2014年12月12日から、吾妻山(一切経山大穴火口)に小規模な噴火の可能性があるとして
気象庁は火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制を発表した。
その結果、大穴火口から500mの範囲では警戒が必要となり
一切経山への直登コースは立ち入り禁止になっている。

こちらは蓬莱山の北側を乗越し酸ヶ平から鎌沼に至るコースで
こちらも火口から500mの範囲内に入るため、通行禁止。
鎌沼に至るルートは、蓬莱山の南側を乗越し姥ヶ原に出るルートのみで
鎌沼を半周して酸ヶ平避難小屋までは行けるが
酸ヶ平避難小屋から一切経山に向かうコースは規制範囲内であるため登れない。
つまり、一切経山へのアプローチは、西吾妻縦走路からか、高湯温泉もしくは不動沢からとなっている。

今年のシャクナゲは、蕾の数もそこそこあるようだ。

浄土平を背に、整備された木段を姥ヶ原へと向かう。
ところどころ雪が残っているものの、木段のほとんどは露出している。

蓬莱山の南面をトラバース。
登りなのに、左手を見るとそこそこ傾斜もあって、恐怖感を覚える。

姥ヶ原に出ると、傷んだ木道の架け替え工事が進んでいた。
真新しい木道を踏むのが、なんだか申し訳ないような気分になった。

9時40分、東吾妻山分岐に至る。
分岐を左手に折れ、東吾妻山へと向かう。
木道はここからすぐに終わり、雪融け水が流れる登山道になる。
ぴすけとダーリンは登山靴にロングスパッツを着用。
靴は濡れることなく、歩行にも全く問題はなかったが、靴や歩き方によっては足を濡らす場合もあるだろう。

残雪にトレースは付いているが、何箇所かはトレースが交錯していたり
木が邪魔をして先が見えにくかったり、トレースが分断されているように見えることもある。
木に付けられたピンクのテープを頼りに位置の確認をしながら歩く。
登りの場合は、とにかく天辺を目指せばなんとかなるが、下りは慎重にトレースを辿らないと
とんでもない所に行ってしまう場合もあるので、木の特徴や景色をよく覚えておくと良い。
GPSの利用もお勧めする。

樹林帯からハイマツ帯に抜けると、もう雪はない。

10時35分、東吾妻山山頂に到着。
特段好天気というわけではなかったが、空気が澄んでいたようで、見晴らしは最高だった。

こちらは北方、西吾妻縦走路の山並みが連なるその向こうに、真っ白な月山が見える。
その左手は大朝日連峰だろうか。
肉眼でははっきり見えたが、月山の右手にある白い雲のようなものは鳥海山だ。

目を右にずらし、北東方向を見やると、鎌沼の奥に一切経山が見える。
さらにその先にあるのは蔵王連峰の山並みだ。

南西方向の眺めはこれまた絶景だった。
磐梯山と外輪山がぐるりと囲む猪苗代湖、その向こうに那須の山々
右目を右にずらすと日光連山、尾瀬の山々と続く。

北西には、雪がほとんど融けている谷地平湿原が、枯れ草色に見えている。
遮るもののない山頂は、さすがに冷たい風が吹いていたが
思う存分景色を堪能し、10時50分に下山を開始。

トレースを慎重に辿る。
11時28分東吾妻山分岐に戻り、11時42分に鎌沼分岐に至る。

鎌沼分岐から鎌沼畔に出る。
鎌沼に氷はない。
鎌沼畔をぐるりと囲むようにつけられた木道は、ほとんどが露出している。

こちらは2011年5月4日の鎌沼。
この時は木道の露出はごくごく一部のみで、鎌沼畔を雪上散歩したものだった。

鎌沼を半周したら、浄土平に下山する。
登りの時に恐怖感を覚えた蓬莱山のトラバース箇所は、なぜか下りの方が怖く感じなかった。
12時40分、浄土平に無事に下山する。
浄土平レストハウスで食事をし、浄土平湿原を抜ける。

まだほとんどの植物がこれから花を咲かせようとしている湿原に、ワタスゲが花を咲かせていた。
既に梵天のような綿が出始めているようだ。
吾妻小舎に戻り、高橋さんにお礼を言って、埼玉に帰る
まるで忙しかった3日間のご褒美のような、すばらしい景色を見られて大満足の山行であった



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっぱり雪は少ないのですね (芝刈り爺さん)
2016-05-09 19:23:32
雪が少ないと(暖かいと)かえって雪が締まりすぎてコチコチで、、怖いこともありますよね。
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どこも雪が少ないのでしょうか (ぴすけ)
2016-05-10 20:56:47
芝刈り爺さん、福島だけでなく、北アルプス辺りでも雪が少ないのでしょうか。
2013年の時は、6月でも東吾妻山の北斜面には雪が残っていましたが、ことしはきっと6月には雪がないでしょうね。
鎌沼の、氷河のように見える残雪の写真を期待して行ったのですが、残念ながら氷どころか、雪も量が少なくて、拍子抜けです。
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