道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

「最近悟ったことは何?」

2008-12-18 23:51:45 | 世間話
――と、うちの先生は毎回訊いて来る。

一週間に一個くらい悟ることがあるだろう、と。

そんなの、仏教学の先生に訊かれても困るが、
私は、構わず、いつもくだらない返答をする。




ところで、最近、一個悟ったことがある。
今まで何故気がつかなかったのか不思議なくらい当たり前のことだから、
正確には、悟り損なっていたことを悟った、と言うべきだろうか。

幼稚園や小学校低学年の頃、疑問に思っていたのは、
何故、横断歩道を渡る時は「右、左、右」なのか。
左を確認している間に車が来ているかもしれないからもう一度右を確認、と言われたって、
それならば、もう一度左を確認すべきではなかろうか。
交通安全教室にやって来た警察官も、
「右、左、右、左、右、左、右、左……」
と際限なく確認し続ける腹話術人形に対して、
「右、左、右、でいいんだよ」
と言っていたけれど、
理屈としては、腹話術人形の方が通っている。
ともあれ、小学校2年生くらいの時には、一種の形式として理解した。
別にどう確認したって良いのだけれども、
小さい子供には「よく確認して渡りなさい」と言うよりは、
「右、左、右」と言っておいた方が分かりやすくて良いだろう、と。
要するに一種の方便で、
別に「左、右」でも良いのだが、語呂とかリズムとかで形式的に「右、左、右」と定めたに過ぎないのではないか。

――しかし、これは、底の甘い考えであった。


つい最近、道路を横断しようとしていて、ふと気がついた。

横断しようとして足を踏み入れる車線に於いては、
車は右から来るものである、と。
(※中央線のない狭い道路や一方通行を除く)

つまり、「右、左、右」というのは、
最初に手前側の車線を確認し、次に反対側の車線を確認、
最後に念のため緊急性の高い手前側を再度確認するということである。
歩行者が渡り始める瞬間が、車にとって確認しにくく、一番危険である。
それに対して、道路の半ばを歩いている歩行者は、車側から容易に目視でき、危険性は比較的低い。
故に、渡り始めの事故を防止するために、歩行者は、右側をよく確認する必要があるのだ。

「右、左、右」とは、何と奥の深い教えであろう!


――って、今更気がついたのは、私だけか...





ところで、日本は左側通行だから、手前側の車線では右から車が来るけれど、
右側通行の国では逆のはず。

その場合、
「左、右、左」
と習うのかなぁ。



ちなみに、中国では、そんな悠長なことをしていたら、いつまで経っても道路を横断できない。
細心の注意を払いながら、勇気を出して一歩を踏み出し、
車をかわしながら進み、
時に道路の真ん中で立ち止まってやり過ごし、
シューティングゲームのように動くのだ。


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