道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

八重桜

2007-04-18 23:21:26 | 街中
先日、角信がなくなるということを聞いたので、桜新町にラーメンを食べに行った。
駅から出て、ミスドの脇の道をずっと真っ直ぐ行き、大きな道路に出ると、
そこに角信はあった。

大通り沿いなのだから、決して目立たない場所ではない。
しかし、周りに駐車スペースがないというのは、
違反取締り強化後の今日では致命的な欠陥である。
店に入ってみても、昼時なのにも関わらず、2,3人しか客はいなかった。
これでは経営はもたない。

もう来ないであろう、そう思って、
同じ系列の山手では置いていない「黒らーめん」と餃子を一人で食べたら、
すっかりお腹いっぱいになってしまった。
時間もあるし、腹ごなしも兼ねて、
駅前の「サザエさん通り」を少し散策した。

このサザエさん通り、もとは「中通り」といったらしいが、
長谷川町子美術館が建てられたことにちなんで、このように改称されたらしい。
残念ながら、駅前ではサザエさんのキャラクターはあまり見つからなかった。
しかし、小さい通りの両脇に並ぶ建物は、なかなかセンスの良い感じであった。

そして、何より良かったのは、この通り、桜並木になっているのだが、
定番のソメイヨシノではなく、八重桜なのである。
何本か並んでいるのは見たことがあったが、
このように並木になっている八重桜を見たのは初めてである。
ソメイヨシノの並木ほど迫力はないが、
一本一本がそれぞれ個性的で、なかなか味わい深い。
そして、開花の遅い八重桜を並木としているので、
他の桜の名所がすっかり終わってしまった中で、
4月中旬に桜祭りを開催できるというのがなかなか洒落ている。

真打は遅れて来るものである。
それまでの登場者が衰えたところに満を持して現れる、
なかなか美味しい役回りである。
皮日休は牡丹について
「落尽残紅始吐芳(残紅落ち尽くして始めて芳を吐く)」
と詠んだが、
これはまさに桜に於ける八重桜に当てはまる。

ソメイヨシノだけが桜ではない。
それが散った後にもなお、また味わい深い桜が咲くのである。


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