道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

宣伝の良し悪し

2010-09-08 17:24:55 | 街中
先日、京都の四条烏丸で、知人と夕飯を食べようと店を探していた。
まず最初に目についたのが「魁力屋」というラーメン屋だった。
ちょうどラーメンを食べたいと思っていたところだったので、入ろうとしたところ、知人が「そこは高いからやめよう」と言う。店の前に貼ってある紙を見ると、「本日のおすすめ」と称して3、4種類のラーメンの写真があるのだが、いずれも900円を超えている。
確かに高い。
結局、その日は、少し奥に入ったところにある一風堂でラーメンを食べた。

後日また通りかかり、どうも気になるので思い切って入ってみた。
同じくらいの時間でも、一風堂より客がだいぶ少なく、余裕を持って座ることができる。
そして、メニューを手に取ると――安い。
安いというと語弊があるが、醤油ラーメン一杯650円なら、平均的と謂うべきだろう。少なくとも一風堂よりは安い。

出てきたラーメンも、そこそこ旨い。650円なら文句は無いくらいの味である。
系統が違うから簡単には較べられないが、少なくとも私の好みからすると、一風堂より美味しい。


あのラーメン屋は、味も値段も立地も一風堂より良いのに、客は遥かに少ない。
結局、あの入り口に貼ってある宣伝で損をしているのだろう。

自信を持って勧められるラーメンを宣伝したい気持ちは分かる。
しかし、それが900円以上となると、初めての客は敬遠したくなる(いくら京都とはいえ、ラーメン屋で一見さんお断りというわけでもなかろう)。

どこに行くか決めかねている客に見せるのは、650円の醤油ラーメンで良い。
それで店内に入って来て、ほとんど網にかかった状態の客に、はじめて900円以上の本当のオススメを見せるべきなのだ。


客を惹き付けるための宣伝はなかなか難しいが、客を寄せ付けないための宣伝は簡単にできる。
故に、宣伝を打つ時は、よくよく注意しなければならないのである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿