でもね、気づいちゃったのです。
蓮華の本当のピークがあそこだって・・・・
パパさん、 「もうここで充分。こんだけすごい眺め見れたから。」
え・・・・
でも その気持ち、わからなくもない。
ちょっとゆっくり歩きすぎたよね、私たち。
結局、隊長一人だけが歩き出しました。
・・・・昨日と同じパターン・・・。
いいのか、これで・・・
本当にいいの?
周りの景色とは裏腹に、私の心はかなり焦ってました。
あの隣の布団の女性パーティと、きっとどこかですれ違う。
〝またピーク踏めなかった、って言うのか、私・・・。 もったいない!ってきっとまた言われるだろうな。″
もう一人の私の声が聞こえる・・・
〝何それ。 そんな不純な理由っておかしい。 誰のために歩いているの? 人が何て言おうがいいじゃん。″
いろんな想いがグルグル グルグル。
せっかくのこの眺め、台無しにしちゃってるみたいな。
コマクサちゃ~ん・・・私ってダメだね。
その時、パパが言いました。
隊長、もうあんな所だよ。(上じゃなくて真ん中くらいの白い服が隊長)
実際に歩いてみると そんなに大変じゃないかもしれないなぁ。
コマクサの写真撮ってた私、驚いてパパさんの方を見る。
それって・・・行くってこと?
行ける所まで行ってみよう。
頂上行きたいって顔に書いてあるよ。
ありがとう、ありがとう!
私も頑張るからっ!!
そして・・・ヨッコラヨッコラ歩いてたら、
着いちゃいました。 頂上。
隊長もビックリ。
「来たの? 頑張ったじゃん」 て。
蓮華岳の頂上は細長い。
ポレポレ隊、フルメンバーで日本三百名山、蓮華岳、ゲットしました~~~~~~~~~!!!
おめでとう!
ありがとう。
あの上が三角点らしい。
タッチしました!
もう一度、おめでとう!
ありがとう~!
嬉しいよ~~~~~~~~~~~!!!!!!
目の前には昨日踏めなかった針ノ木岳が。
このヘタレ夫婦に向かって、やったね、って言ってくれてるようでした。
燕~大天井~常念 の稜線。
野口五郎。
水晶。
赤牛。
薬師。
全て隊長の同定なので間違ってたら指摘してください。
で、隊長ったら 「雄山の祠が見える」 なんて言うもんだから え~? まさか~?
帰ってきてからズームさせてみたら・・・・本当に写ってた。
あんたの視力って・・・
これは私でもわかります。
もちろんあなたも!!!!!
毎度お騒がせのポレポレ隊、勢ぞろいの一枚。
私たち、三人でなんとか一つ、テッペン踏めました。
さあ、ずっとここにいたい気持ちはわかるけど、そろそろ下りよう。
今日は帰らなきゃいけないんだよ。
アンタ、明日仕事でしょ?
「仕事」という言葉で一気に現実に戻された隊長。
おっと・・ごめん。 その言葉から離れるためにここに来たのにね。
向こう側に人が見えますでしょ?
あそこまでずっと頂上なんですよ。 蓮華のテッペンてほんと細長い。
船窪岳への稜線。
名残惜しいけど、さよなら言おう。
パパも来て良かったって言ってくれた。
その言葉が聞けただけで もう・・・
若一王子神社の奥社にお礼を言って
下ります。
こんな道、歩いてていいんでしょうか、ってくらいの。
だからやっぱり夏はアルプス来たくなっちゃうんです。
来年も 三人で歩けるといいな。
な~んて思いながら歩いていたら・・・
隣のお布団のパーティさんが!!
女性の方もほぼ同時に 「あっ!」 って・・・
「どうしたかと思ってたのよ~」
「頂上行ってきました! 三人で登りました!!!」
「わぁ~ 良かった! そうよ、そうよ。やっぱりテッペン踏まなきゃ!良かったね~! ほんと良かった!」
って言いながら拍手してくれました。
「ありがとうございます。本当は途中で萎えそうになったんですけど、なんとか行けました。」
「じゃあさ、この勢いで針も登っちゃえば?」
「え・・いや・・それはちょっと・・・」
「アハハ、無理? これからも三人で頑張ってね。 家族で歩けるなんてほんとにステキなことなんだから。」
「ありがとうございます。 そちらも道中長いからくれぐれも気を付けてくださいね。」
「うん、ありがとう。 それじゃあね。」
・・・・その直後に撮ったのが上の写真。
一期一会。
山での出会いって・・・・いいな。
登る理由が、ストレートじゃなくて、ちょっとカーブを描いていたかもしれないけど
今回はあの女性に背中を押してもらった気がする。
これはこれでいいんだ、って思う。
それに・・・・なんだかんだ言ったって、全部自分の足で登ったんだから。
誰になんと言われようと。
パパだって
頑張ったよね。
この辺りでは もう本当の下山のことが頭にありました。
寂しさと、下りの雪渓を歩く不安と。
針ノ木のテッペンと小屋が一度に見渡せる。
高度感あります。
せ~の! で飛べそう。(こわっ・・)
戻ってきました!
もし、頂上に立ててなかったら、ここでの気持ちが全然違ってただろうな・・・
残り物を食べて扇沢に向かって出発だ~!
その前に・・・槍と甘酒。
そう、今回、初めて 〝山甘酒″ 。
美味しすぎるぅ・・・・
さて、二日目の手ぬぐいはスイカです。(三食スイカでもいいくらい好き♪)
最後に小屋の前でカシャ!
お世話になりました~!!
もういっちょ カシャ!!
では下りまーす!!
下りに弱いパパとママ。
隊長~ ゆっくり頼むね。
この辺りの道、すごくザレていて、気を付けないと小石を落としてしまいます。
隊長、気を付けてよ~!
これくらい道幅があればいいけど、すごく細い箇所も。
雪渓のそばは涼しい。
この辺りも歩きにくかった・・・
左が谷底ってわけじゃないけど けっこう気を使いました。
前を歩いていた方が転んで、けっこう痛そうでした。
私たちも気を付けよう。
パパは沢を見つけると手ぬぐいを濡らして首に巻いてたっけ。
お花を見る余裕も必要。
確実な一歩を。
大分 雪渓が近づいてきた。
はい、ではここでアイゼン付けましょう。
途中で取れないようにしっかりね。