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徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

福島原発 IAEAレポートより

2011年03月27日 | 福島原発

下記、IAEAのレポートでは1号炉温度144℃、2号炉温度100度℃、3号炉温度102℃と報告されています。 100℃以下が冷温停止の条件ですので、もう一息ですね。また海水から真水への転換も順調のようです。

IAEA Briefing on Fukushima Nuclear Accident (26 March 2011, 14:30 UTC)

At Unit 1, the main change is the injection of freshwater to the Reactor Pressure Vessel (RPV). The temperature measured at the bottom of the RPV is stable at 144 °C. Pressure in the RPV, containment vessel and suppression pool have come back down after having increased from 22 to 24 March. At Unit 2, the injection of freshwater to the RPV commenced at 01:00 on 26 March.The RPV temperature is stable at 100 °C at the bottom of the RPV. The pressure measured in the RPV and in the containment pressure vessel is stable at circa one atmosphere.

Freshwater is also being injected in the RPV of Unit 3. Temperature measurement at the feed-water nozzle of Unit 3's RPV is still judged to be unreliable, but at the bottom of the RPV it is stable at 102 °C. White "smoke" continues to be emitted as of 23:00 UTC on 25 March from Unit 3, as it does from Unit 4Unit 3 shows a consistently low containment drywell pressure of circa 1 atmosphere.


若者へ、時代は巡る

2011年03月27日 | 生活

◇「復興」の10年を若者の希望に--精神科医・斎藤環

 東日本大震災から、早くも2週間が過ぎた。

 私の故郷である岩手県も大きな被害を受けた。幼い頃から何度も通った宮古の海岸、陸前高田の砂浜、潮干狩りをした宮城県の気仙沼などに刻まれた津波の爪痕を見るにつけ、胸がつぶれる思いがする。亡くなられた方々のご冥福と、被災された方々が一日も早く日常を取り戻されることを祈りたい。

 大きな災害は、人々の意識にも少なからぬ影響をもたらす。16年前の阪神淡路大震災がそうだった。あの震災の後、私たちは「トラウマ」や「こころのケア」といった言葉に敏感になり、被災して傷ついた心に配慮する作法も定着した。

 いま気がかりなのは、若い世代に今回の震災がどのように受けとめられていくのか、という点である。震災によるダメージは、おそらく就活にも影をおとす。不景気に追い打ちをかけるような災厄の連続に、今この国に生まれた不幸を呪いたくなる若者がいても不思議ではない。

 しかし、と私は考える。最大のピンチの中にすら、チャンスの芽ははらまれているはずだ。もし震災を、社会的な「リセット」と認識できれば、格差社会の苛烈さにおびえて身動きできない若者たちには、動き出す好機たり得るかもしれない。

 思えばバブル崩壊以降、若い世代にとっては、まっとうな希望を持つことがむずかしい時代がながく続いていた。ここしばらく、中高生の意識調査では「これから社会が良くなるとは思えない」「努力は報われるとは限らない」といった、悲観的な回答が大半を占めるのが常だった。いつ晴れるとも知れないニヒリズムの雲が、若者たちの頭上を、薄く広く覆い続けていた。

 震災・津波・原発事故という未曽有の災害によって、日本の産業や経済が受けたダメージははかりしれない。被害総額は20兆円以上とする試算もあり、立ち直りには長い期間を要するだろう。そう、これから私たちはかつてない「どん底」を経験する覚悟を固めた方がよい。

 しかし、私は期待している。この「どん底」の経験が、若い世代にとっては希望でありうることを。

 私たちバブル世代には、無根拠な楽観主義が骨がらみに染みついている。幼児期には高度成長期を、思春期から青年期にかけてはバブル景気を経験したものとして、私たちはいまなお根拠なしに「そのうちなんとかなるだろう」と信じている。

 この種の感性は、思春期においてどういう社会状況を経験したかにかかわっている。その意味で今30代以下の世代の不幸は、思春期において社会の成長発展を実感できなかった点にあるだろう。就職氷河期、全世界同時不況、格差社会のなかで弱者化する若者……。これでは希望を持てというほうがむちゃというものだ。

 そうした意味からも、「どん底」は好機なのだ。

 私はこの状況がずっと続くとも、どんどん悪くなるとも考えていない。政府に初動の不手際はあったにしても、インフラの復旧は、かなり順調に進んでいる。不安の種だった物不足にしても、流通は徐々に健全化しつつある。気がかりな福島の原発事故は、最悪の事態は免れるであろうと楽観できる雰囲気になりつつある。

 そう、これほどの災厄にもかかわらず、日本社会には、それをはね返すだけの基礎体力があるのだ。

 ならば、これからの10年間は、間違いなく復興のディケイドとなるだろう。一度「どん底」を経験した社会が、じわじわと立ち直っていく姿を、私たちは目の当たりにすることになるのだ。ほかならぬ復興の当事者の一人として。

 津波や被災地の映像はもう十分だ。今後メディアは「復興の姿」をこそ報道し続けるべきではないか。人々が力を合わせて立ち直っていく姿は、若い世代にとっては何よりの励ましであり、希望である。リアルな希望を支えるのは、社会がよりよい状態に変わりうることの、具体的なイメージなのだから。

毎日新聞(3/26)より転載