徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

オーストリアの建築家

2012年03月09日 | 海外ボランティア

 今日は朝から何だか忙しい一日でした。 金曜日は授業が無いので普段はのんびり歩いて大学まで行くのですが、今朝は9時前からJACAと学長のMTGに呼び出され、あたふたと出かける羽目になりました。大学には我々の所属している電気科、電子通信科の他にIT科、土木科があり、特に土木の講師が不足していて非常に困っています。そこで大学としては前々からJICAに講師を要請していた所、今回やっと派遣が決まりその報告というのがMTGの一義的な目的でした。これはまことに結構なことなのですが赴任が10月と言うことで、もう待ちきれない土木の長からは何故にそんなに時間がかかるのですか?との当然な質問がありJICAサイドも回答に窮する場面もありました。確かに我々応募する側から見ても合格後1年の期間は長すぎるので、ここは日本のお役所も真剣に期間短縮に取り組んでいただきたいものです。

 その後すぐ、オーストリア・ウィーン工科大学から二名の建築科教授が見えてレクチャーがあり参加しました。 我が学長は講師不足にも関わらず、大学に建築科の増科を目論んでいてオーストリア政府の援助を引き出そうとして教授の招聘に及んだようです。この二人の先生、なかなユニークで一人はもうちょっと耳が遠くなっている頑固なご老人と、もうひとかたはドイツ・メルケル首相のような恰幅のご婦人でした。このご老人がプナカを訪問して怒ること、とにかく伝統建築をぶち壊すような我JICAの新設道路なぞ、誠にお気に召さないようでご立腹然りでした。

 しかし、確かに建築家というのは芸術家に属すると思わせるネパールやスリランカにおける建築作品を紹介していただくと、確かに美しい。美しいものは経済的なものを超えて美しいんだから仕方がない。それに比べて、日本の支援による道路や橋が美しいか?インドのコンクリートビルが美しいか、と言われると悔しいがこの爺様の作品には勝てない。ヨーロッパ人は贅沢だが美しいものをつくる。爺様いわく、ブータンの若者に美しいものを教え、美しいブータンの伝統建築を高めるような教育をすべきだ...とのこと 

 しかし、私は学長の思惑、つまりなぜ我が大学に建築科が必要かとの思いも解る。実需があるのです、醜いコンクリート建築を乱設する... まあ、いずれにせよブータン唯一の工科大学である我がCSTはブータンの明日を担う技術者を輩出し続ける必要があるようです 

今日はなかなか面白い一日でした。


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