徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

ロッキードが10年以内に核融合の実用化

2014年10月17日 | 物理

今、エネルギー問題は深刻だ。今まで先進国だけでジャブジャブ消費していた石油はBRICsを初め南の途上国が要求し始めている。考えてみてくれ、中国とインドだけでも25億人以上いる人々が快適な生活を求めてエネルギーを使うのだ。

原子力(核分裂)発電は核廃棄物と運転の安全性に致命的な問題がある。これに対して核融合炉は核廃棄物はほとんど出さない上に安全である。なにが安全かと言うと原子力発電は福島第一の事故の通り発電を中止しても核反応は直ぐには停止しないで残留熱が数週間続き冷却が止まればメルトダウンを起こしてしまうのに対して、核融合反応は反応条件を外れれば直ぐに停止する。要は止めやすい、止まりやすいのだ。

というより、人類は未だに核融合炉の臨界条件に達して無い。私が赤ん坊だった50年以上前からトライしているのに止めるどころか点火に至ってないのだ。

ところが今朝、あのロイターが、あのロッキードが10年以内に核融合の実用化を宣言した、と報じたのだ。 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKCN0I509K20141016

これはロイターとロッキードの組み合わせでなければ到底信ずることが出来ないニュースだ。これがもし本当なら今世紀最大、いや功績としては人類史上最高の技術革新かもしれない。核融合の燃料は重水素と3重水素(トリチウム)。重水素は海水中に無尽蔵にある。陽子に二つの中性子がくっついたトリチウムは福島第一の汚染水の中に豊富に含まれている、と言うのは悪い冗談だがリチウムに中性子を当てれば簡単に作り出せる。核融合が実用化されれば人類は無尽蔵のエネルギー源を手にする事になる。

さて、今回のロッキードの発明は従来のトカマク型やレーザー爆縮方式ではなくミラー型のプラズマ封じ込め方式でのブレークスルーの様だ。

ドーナツ状にプラズマを閉じ込めるトカマクに比べてミラー型は直線状にプラズマを封じ込めてプラズマ密度を示すベーター係数をトカマクの5%程度に対して100%にまで上げることが出来る。ただ、直線状で閉じて無いプラズマ端から粒子が漏れ出すため燃料を連続的に追加注入する必要がある。

おまけに、この装置は従来のトカマク炉が2万3千トンと巨大なのに対してトレーラーに乗るくらいコンパクトなものになると言っている。船や潜水艦や、もしかしたら航空機にも搭載できるかもしれない。また、ミラー型は端から漏れ出すプラズマジェットを直接推進装置としたロケットへの応用も考えられているので亜光速ロケットのエンジンにも使える。この話が本当なら人類の未来は明るい、本当に実現して欲しいものだ。

http://aviationweek.com/technology/skunk-works-reveals-compact-fusion-reactor-details


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