松尾 由美著『安楽椅子探偵 アーチー』
上の題名を見たら、普通、安楽椅子探偵のアーチーの話、と考えると思います。
が、これは安楽椅子である探偵アーチーのお話です。
そうです。安楽椅子がしゃべるのですよ
安楽椅子だから当然動けません。
ですから、普通の意味での安楽椅子探偵でもあるのです。
謎を持ち込むのは、この椅子の所有者、小学5年生の衛です。
物語は彼がこの椅子を骨董屋で購入するところから始まります。
誕生日に新しいゲーム機とソフトを買うためのお金を渡され、帰宅後お店に向かいます。
途中の信号で待っていると背後からため息が聞こえてきます。
でも周りには人がいません。
ただ、骨董屋の店頭に並べてある椅子があるだけです。
その椅子に近づいてみると、なんと寝息が聞こえてきます。
興味が引かれ見ていると「30000円」の値札が目に入ります。
手元には母親に渡されたお金28000円。
そして「すみません。この椅子ですけど」
私ならゲームの方に行ってしまうだろうなぁ。
主人公は5年生ですから、日常の謎系で、ほのぼのしています。
最後は何故アーチーが意識を持つようになったのかがわかる、スパイ物?です。