今度の部屋

授業でできなかったことや出版物についてフォローします(できるだけ^^)

「今日の授業」報告

2012-06-18 12:29:10 | 日記


 今日は、大学で「環境と人間」という授業がありました(10:50ー12:20)。
 10人ほどでやっている授業です。
 自分が選んだ本を要約し、それについて皆で話し合うという形態です。
 私は理系の素養が欠落しているので、みなと一緒に勉強しているようなありさまです。

  今日の担当はT君で、本は盛口満著『わっ、ゴキブリだ!』でした。
 発表はときおりクイズを取り入れ、参加者を飽きさせない工夫がなされていました。
 例えば、「シーラカンス/カブトガニ/ゴキブリ/オウムガイを古い順番に並べる」などです。
 正解はオウムガイ→カブトガニ→シーラカンス→ゴキブリだそうで、ゴキブリが一番新しいというのは意外でした。
 
  著者は、過度の衛生思想がゴキブリに対する拒絶反応を助長しているのではないか。CMもその風潮を助長しているのではないか、とのべているのだそうです。
 たしかに、「あの強烈そうな殺虫剤を吹き付けなければ死なないゴキブリは強敵で不気味である」と私もつい考えてしまいます。
 体格のいい女性がプシューとゴキブリに吹きかけている殺虫剤はまさに「武器」を思わせます。
 しかし、ゴキブリは人間にかみついたり、何か悪さをするわけでもない。
 もっと深い理由があるのではないだろうかと思いました。

  そこで、「ゴキブリがきらわれる原因はなんだろうか?」について学生から意見をもらったのですが、
 「とにかく外見がきもちわるい」というのが即座にでてきて、当然だと思いました。

  それ以外に「人間の居住スペースを断りもなく犯すから」という意見がでて妙に納得しました。
 たしかに、人間とともに住んでいるイヌやネコは人間が住まわせているのだから、好意的に受け入れられる。名前すらもらっている(タロー/ジロー/にゃんこなど)。
 トリもキンギョも、みずから買ってきたクワガタやカブトムシなども拒否されない。
 法律でも不法侵入罪というものがある。やはり勝手に住みついているからゴキブリはきらわれるのだ。

  呼んでもいないのに勝手に住みついているものとして、ある学生が「カビ」と言いました。
 たしかにカビも、呼んでもいないのに住みついている。だからこれもスプレーをかけられてしまうのだ。
 やはり生活空間を断りもなく犯すものは攻撃されるのだ。
 もはや理性をこえて感情なのだ。何かの本でよみましたが、これ以上は近づいてほしくない「最適距離」というものがあるらしい。
 その範囲をこえてはいけないのだ。

 たぶんゴキブリは家に入れば暖かいし、天敵のヤモリなんかもいないから来ているのに、やられてしまう。 
 わたしはなんだかせつなくなり「今度ゴキブリに生まれたらどうしよう」と思ったのですが、学生から「先生、ゴキブリには感情がありませんよ、たぶん」と言われたので、「自分がきらわれているから追い立てられる、悲しい」という感情がわかないだろうから、少し安心しました。

 今日の授業の光景をほんの少しだけご紹介しました。
 学生は他にきちんと話し合いをしていましたが、私にはそのことが頭に残りました。
 ずーっと考えていました。

 今日も来てくれてありがとうございました。