* おばあちゃん、大好き *
* アイ・ノウ *
映画で話題になっていたのと次女の薦めもあって読んでみました。 映画(西の魔女が死んだ 特別版 【初回限定生産2枚組】)は観ていませんが 「魔女」という言葉と 本の帯の写真や 映画の宣伝で見た優しそうな白人のおばあさん(イギリス人)の写真を見て 今年の6月に92歳で亡くなってしまった;; 大~好きな「ターシャ・テューダー」(1915-2008 アメリカの絵本作家、ガーデナー、人形作家)のイメージやターシャの庭のイメージを勝手に抱きながら・・・。
梨木さんの作品も初めて読みましたが、児童文学作家でありながら絵本作家でもあるそうで さらりとした飾らない文章なのだけど 経験がなければ描けないであろう「生活の知恵」があちらこちらにちりばめられていることがこの本の魅力になっています。
鶏を育て毎朝の食卓に卵をとってくることや ハーブや木の実を育てて収穫し お茶やジャムを作ったり エプロンを作る場面などなど、そしてそれが 日本の「おばあちゃんの知恵」というよりまさしく西洋の「おばあちゃんの知恵」らしいところが 作者がかつてイギリスに留学していたということからも頷けるのです。だから私は「西の魔女」であるおばあちゃんの姿に *喜びは創りだすもの*というターシャ・テューダの姿を重ねてしまったのかもしれません。
また 著者がカヤックの愛好者でおられるということからも 自然の中での豊な経験から自然を愛する人であろうことが伺え、 人間の生活が自然の中に溶け込み そこに「生命」が息づき 自然のリズムに調和することが人間の本来の自然の姿なのであることを気づかせてくれるのです。
スローライフや食育、自給自足の大切さがクローズアップされる昨今 あたりまえのことがあたりまえでなくなり 大切なものを失いかけている私たちに 食生活をはじめ、日常生活の些細なことを見直すことの大切さを教えてくれます。そしてそれは 「規則正しい生活をする」とか「自分で考え、自分で決める」という 簡単なことのようで一朝一夕でできることではないけれど、心構えひとつで誰にでもできることだと理解できるのです。 またそれが無理にではなく、生活のリズムとして継続し 自然に心や体が覚えていくのだということも 理屈ではなく おばあちゃんの普段の生活の姿勢や 優しさ、厳しさから学び、そんな「魔女の修行」を 孫娘の「まい」と一緒にやってみよう!!!という気持ちにさせてくれます。
学校へ行きたくない、あるいは行くことができない子供たちに、 ニートといわれる若者たちに、 それから夜更かしで生活がついついルーズになってしまっている大人や子供たち 手抜きの家事で楽をすることばかり考えてる私のような(笑)専業主婦にも 早起きして何かをするとか もっと日常生活を規則正しくしてみようかな。。。とか 何かひとつ些細なことでも 目標を決めて実践してみよう!と思わせてくれる一冊です☆
先に読んだ 「まよいもん」(松井雪子 著)とスピリチュアル的なことをとりあげていることと、「まい」の母親が「今どきのちょっとクールな母親」(こういう表現は批判されそうなのだけど・・・)というところが 両方の作品に少し通じるものがあるのですが これもどちらの作者の世代としては もはや普通のことなのかも知れないと思いました。でもどちらも父親が優しいという設定も やはり”今どきの親”の象徴なのかもしれません。(笑) こんなことを思う私は作者と同世代でありながらも いつの間にか だんだんと「おばあちゃんの心理」(←姥心ともいう(笑))になってきたのかも知れませんね。。。とてもとても「西の魔女」やターシャのような素敵なおばあさんにはなれそうもないけれど。。。
でもタイトルの通りの、 「西の魔女(おばあちゃん)の死」は 昨年 母を亡くしたばかりの私にとって 最後の数ページに涙がとまらないのでした・・。
* オバアチャン ノ タマシイ、ダッシュツ、ダイセイコウ *
この映画と 同じく映画化された「ぐるりのこと」の本と映画も見てみたいです。また本屋大賞3位に入賞した「家守綺譚」も読んでみたくなりました。それから なんだかターシャにもあいたくなっってしまったから ターシャのDVDをもう一度観ようかな。。。