芥川賞作家であり ミュージシャン、映画監督でもある辻仁成さんの 福岡ライブの翌日、氏の作品の中でとても好きな小説で フランス フェミナ賞・外国文学賞受賞作品(日本人初)、「白仏」の舞台であり 辻さんのお祖父様(母方)の故郷でもある 福岡県大川市大野島まで足をのばしてみた。
小説を読んだ時から イツカ行ってみたいと思っていたが 遠すぎるので無理だと諦めていたのだが 思いがけず訪れることができて感動した。
有明海に注ぐ筑後川下流の島に生まれた稔 は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが 戦死した兵隊や 亡き初恋の人、友人、家族の魂の癒しのために島中のお墓の骨を集めて一体の白仏を作った。という辻氏の祖父である「鉄砲屋 今村豊」(小説では 江口稔)の生涯をモデルにした小説である。また 戦争の記憶が 骨仏の建立への思いとつながったのであろう・・。(製作者は今村輝久氏)
<iframe marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukarinrinblo-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4163171800&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1" frameborder="0" marginwidth="0" scrolling="no" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 240px"> </iframe>福岡(天神)から西鉄天神大牟田線に乗り45分ほどで柳川駅へ。駅前バス停にとまっていた大野島方面行のバスに乗る。柳川の町を過ぎる頃には乗客は誰もいなくなり 有明海に注ぐ筑後川の下流にかかる新田大橋を渡る。川の中央には石組みの堤がまっすぐに伸びてあれはいったいなんの役目をしているのかな??と考える。
(帰宅後調べると オランダ人技師のヨハネス・デレーケが指揮をとって 河口付近への土砂の堆積を防ぐ目的で明治23年(1890)に築かれ 通称「筑後川デレーケ導流堤」と呼ばれるそうだ。河川航路の維持に力を発揮し全長6・5キロもあるそう。)
のどかな風景の車窓を眺めながらのんびりと30分ほどバスに揺られ 大野島農協前で下車する。5分ほど歩いて目的地の「勝楽寺」へ。オナガのように尾が長く 黒と紺色をした 初めて見る鳥がたくさん飛んでおり お寺の隣に「かささぎ保育園」という名の保育園があるので その鳥がどうやら 七夕伝説で天の川に橋を架けたといわれるカササギであろうことを知る。また、大野島が三角州であることもカササギのイメージにぴったりなんて思ったり。。。手にしていた「白仏」をパラパラとめくると「鵲」という文字を見つけ ああ やっぱりと思う。
勝楽寺につくと ご住職の奥様やご家族の方がこころよく迎えてくださり 納骨堂もゆっくりごらんくださいと自由に拝観させてくださる。扉を開けると 向かって左側には新しいお骨が納められており まず最初にそちらにお参り。(突然他人がおじゃまして申し訳ございませんという気持ちで・・) 向かって右手には 思ったよりこじんまりとした「白仏」が安置されていた。
島に眠る人々のお墓を掘り起こし、その数千体、1300Kgもの遺骨をかき集め、粉にし練って作られたとは思えないような白い仏像の姿に深く感動し手をあわせた。 島の人であろう戦没者の名前も刻まれており 「鉄砲屋 今村豊」の思いは 黒木和雄監督の「生き残ってしまって申し訳ない」という思いにも通じるものがあると感じた。 合掌
*山田宗樹さんの小説『嫌われ松子の一生』の舞台も大野島だそうですが こちらは本も映画もドラマもみたことがありません^^; *
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