半月ほど前新聞で きたやまおさむ(北山修)さんがプロデュースするコンサート ”きたやま おさむ レクチゃー&ミュージック 「あの素晴らしい愛」について” (青い鳥創業) が東京で開催されることを知って すぐに申し込み、先週の木曜日に 品川 大井町の「きゅりあん」大ホールで開催されたコンサートへ出かけました。
きたやまさんは 医大(京都府立医科大学)生時代に 加藤和彦さんたちとグループを結成し「帰って来たヨッパライ」が大ヒット。「イムジン河」でも有名な ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして 1960年代からフォークソンブームのけん引役としてご活躍なさり、「戦争を知らない子供たち」「風」「あの素晴らしい愛をもう一度」「花嫁」「白い色は恋人の色」や堺正章さんの「さらば恋人」などの作詞を手掛けて大ヒットしました。
大学卒業後は 精神科として活動なさり 北山医院(現 南青山心理相談室)院長を経て、九州大教授(精神分析学)で教鞭をとりながら 日本精神分析学会会長も務めておられるそうです。
私が 北山さんの歌と出会ったのは 幼い頃聴いた「帰って来たヨッパライ」(イムジン河とともに作詞は松山猛さん) が最初で その後に流行ったはしだのりひこさんの「風」や「花嫁」、ベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」が子供ながらにも大好きでした。 高校生の時は「あの素晴らしい愛をもう一度」が音楽の教科書にのっていて合唱祭で皆で歌ったこともありました。
放送禁止になったといわれる 「イムジン河」をきいたのは大人になってからでしたし、世代としは フォークルをリアルタイムで聴くというのはなかったのですが 大人になってから子供の頃から何度か耳にした歌がなつかしくて 随分あとになってそのほとんどの歌が北山さんの作詞であるということを知り、 「北山修青春詞歌集」というアルバムも買い 「初恋の人に似ている」という歌も大好きになりました。 北山さんの詩は ほんとうにやさしく メロディとともに心に響くものばかりです。
♪ そうよ~ あなたは~似ている~初恋の人に
好きだった・・でもそれは いけないことじゃないけど
言っちゃいけない~ 今は あなた だけなの~ ♪
というわけで コンサートのお客様の年代層もかなり高めで(失礼(笑))ちょっとびっくりしたのですが、舞台に登場なさったきたやまおさむ氏も もう60歳をこえられてロマンスグレーでいらっしゃり、時の流れを感じたのでした。。。(しみじみ)
紺ブレにチェックのスラックス、縞模様の靴下というおしゃれな姿で お話も楽しく、こんな教授の授業やカウンセリングを受けられたら楽しそうと思いました。
前半は 国際医療福祉大学大学院教授で同じく精神科医の岡野憲一郎氏とのレクチャーで テーマは「音楽と恋愛について」。
音楽は疑似恋愛で 好きな曲は聴きすぎるより嫌いにならないうちに 一度しまって しばらくしてから聴いた方が新鮮さを感じる、ただし恋愛の場合 適度な距離は必要だけどあまり放っておくとどこかにいなくなってしまい大変かも!(笑) というようなお話も楽しかったですし ベーシストのきたやま氏はあまりうまくなかった?(笑) とか KYだという岡野氏は空気が読めないのではなく 読まない あるいは読んでも読まないふりをするとかしないとか・・とかいうお話にも笑えました。
コンサートは シモンズ再結成や五つの赤い風船の再結成メンバーとしても活躍なさっておられるという 青木まり子 さんと 「戦争を知らない子供たち」の杉田二郎 さんをゲストに迎え、「あの素晴らしい愛をもう一度」から始まり 思わず口ずさんでしまう懐かしい曲や初めて聴く歌もありました。
*******************
~セットリスト~
1.あの素晴しい愛をもう一度
2.白い色は恋人の色
3.イムジン河~春
4.初恋の丘
5.どこまでも飛ぶ
6.男どおし
7.積木
8.祈り
9.人生ララバイ
10.旅人の時代
11.花嫁
12.別れのうた
13.アンコール 戦争を知らない子供たち
**********************
コンサートの後 再びきたやま氏が登場し、欧米人は face to face で向かい合って「愛してるよ」と愛を語るが 日本人は shoulder to shoulder で 寄り添って同じ方向を向いていること、例えば バス停で夫婦がだまって並んでバスが来る方向を見ていることに長い間連れ添った愛情や信頼関係があるというようなことをおっしゃっていました。(この場合 相手に気遣って楽しそうな会話をしていたら不倫かも・・というのに爆笑) 確かに見つめあってばかりいたら疲れてしまいますし、いつしか視線がずれてしまいそうですが 共に同じ方向を見つめて歩んでいくというのは素敵なことですし 恋人というより同志!という感じがします。また どちらかが間違った方向に進みそうになったらお互いに軌道修正できそうですし♪ そしてやはりなにより ただ黙って寄り添うだけで安心する人がそばにいてくれるだけで心が満たされる気がします。見つめあうのが恋。なら寄り添うのが愛。というカンジかな。。。♪
***
「あの素晴らしい愛を・・」が出た頃から 日本にはウォークマンなどが登場し 音楽も一人で聴くようになり TVも昔は一台のTVを家族みんなが一緒に見て楽しんだのに ひとつの家に何台ものTVがあるようになって お父さんは野球 お母さんは冬ソナ(笑)などのドラマ、子供はゲーム・・というように みんながそれぞれ好きな方向を見聞きする時代になった。だからこそ ひきさかれた心が出会うことを望み「あの素晴らしい愛」を「もう一度」という歌が流行ったのかも知れないということでした。
これが「共視論」という結論に達し、精神科医としてのテーマでもあり 人間の人格形成の原点は幼児期の体験や母子のかかわりにあるという考えから 普段の母子の様子を普通の家庭で研究しようと試みたが お茶が出されたり お父さんが早く帰ってきてしまったりと 大歓迎されてしまって(笑)断念。そこで昔の絵にインスピレーションを得て 日本の浮世絵に描かれた母子像を通じて、母子が肩を並べて「同じ花」を見るという二者の位置取りが カウンセリングや精神医療における治療的なポジショニングの原型になると考えたそうです。
♪ あのとき~同じ花をみて美しいといった二人の
こころ~とこころは~ 今はもう通わない。。。♪
共に眺め(共視)、共に思うことでそこに情緒的交流、非言語的交流、 そして身体的交流も生まれ情緒的な「きずな」が形成される・・。
♪ あの 素晴らしい愛をもう一度~
あの素晴らしい愛をもう一度。。。♪
きたやま氏のお話は 私たちが忘れかけていることを思い出させてくれるようでした。
いろいろなわけのわからない事件ばかりおこる昨今、「あの素晴らしい愛」を「もう一度」「もう一度」・・わたしたちのこころに蘇らせ こどもたちと共に人間の「きずな」を深め「心をつないで」いけたら素敵ですね。。。
素敵なお話と 素敵な歌をありがとうございました♪
(「初恋の丘」を聴いて 遠い昔、子供のころ由紀さおりさんの優しい歌声で聴いたことがある!と感動。北山さんの作詞だったのですね。。。)
♪ まぶしく輝く 青い大きな空も
ときどき 私のものじゃないふりをする
まぶたに うかんでくるの初恋の丘
決して 恋などしないと誓ったのに
あなたと笑って あなたと歩いて
あなたと祈って あなたと夢みた
ちょっぴり 涙 流したこともあったわ
大人になっても ひとりぼっちはつらい
初恋の丘へ も一度帰りたいな。。。♪
*******************
あの素晴しい愛をもう一度
<作詞・北山修 作曲・加藤和彦>
命かけてと 誓った日から
素敵な思い出 残して来たのに
あの時 同じ花を見て
美しいと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度
赤とんぼの歌を 歌った空は
何にも変わって いないけれど
あの時 ずっと夕焼けを
追いかけて行った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度
広い荒野に ポツンと居るよで
涙が知らずに 溢れてくるのさ
あの時 風が流れても
変わらないと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度
<object id="Player_25a0480b-7792-4c3f-a84c-d446d011c9a8" codebase="http://fpdownload.macromedia.com/get/flashplayer/current/swflash.cab" classid="clsid:D27CDB6E-AE6D-11cf-96B8-444553540000" width="336" height="280" reinitswf="function () {
return eval(instance.CallFunction("<invoke name=""+name+"" returntype="javascript">" + __flash__argumentsToXML(arguments,0) + "</invoke>"));
}" reinit="function () {
return eval(instance.CallFunction("<invoke name=""+name+"" returntype="javascript">" + __flash__argumentsToXML(arguments,0) + "</invoke>"));
}" reinitswf="function () {
return eval(instance.CallFunction("<invoke name=""+name+"" returntype="javascript">" + __flash__argumentsToXML(arguments,0) + "</invoke>"));
}"><param name="movie" value="http://ws.amazon.co.jp/widgets/q?ServiceVersion=20070822&MarketPlace=JP&ID=V20070822%2FJP%2Fyukarinrinblo-22%2F8003%2F25a0480b-7792-4c3f-a84c-d446d011c9a8&Operation=GetDisplayTemplate" /><param name="quality" value="high" /><param name="bgcolor" value="#FFFFFF" /><param name="allowscriptaccess" value="always" /></object>
<noscript></noscript>
フォークルと北山修さんについての私の関連blogはこちら
<noscript></noscript>
*******************
余談になりますが きたやま氏の shoulder to shoulder のお話をうかがっているときに 私の心の中で さだまさしさんと楊姫銀さんの 「人生の贈り物」が奏でられました。
*******************
人生の贈り物 ~他に望むものはない~
<作詞・楊姫銀 作曲 訳詞・さだまさし>
季節の花が これほど美しいことに
歳を取るまで 少しも気づかなかった
美しく老いてゆくことが どれほどに
難しいかということさえ 気づかなかった
もしももう一度だけ若さを くれると言われても
おそらく私は そっと断るだろう
若き日のときめきや 迷いをもう一度
繰り返すなんて それはもう望むものではない
それが 人生の秘密
それが 人生の贈り物
季節の花や人の 生命の短さに
歳を取るまで 少しも気づかなかった
人は憎み諍(いさか)い そして傷つけて
いつか許し 愛し合う日が来るだろう
そして言葉も要らない友に なってゆくのだろう
迷った分だけ 深く慈しみ
並んで座って 沈む夕日を一緒に眺めてくれる
友がいれば 他に望むものはない
それが 人生の秘密
それが 人生の贈り物
季節の花が これほど美しいことに
歳を取るまで 少しも気づかなかった
私の人生の花が 散ってしまう頃
やっと花は 私の心に咲いた
並んで座って 沈む夕日を一緒に眺めてくれる
友がいれば 他になにも望むものはない
他になにも 望むものはない
他になにも 望むものはない
それが 人生の秘密
それが 人生の贈り物
人生の贈り物~他に望むものはない~スペシャル・マキシ・シングル