杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・ネット上でのいじめ対策

2007-10-30 09:25:17 | Weblog
現在いじめの多くの部分をネットでの誹謗中傷や実害を伴う嫌がらせが占めているということを聞きます。学校の先生からも、ネットでのいじめをナントカできないものだろうかという声を聞きます。

発信する側を取り締まるのはむずかしいし、取り締まろうとすればするほどかいくぐって行う、というのが物事の常です。
思い切って、ネットに関わらない生活をしてみたらどうでしょうか。

私も、自分でブログを書くようになって、インターネットとの接続を頻繁にするようになりましたが、そうしてみると、このネット上の世界というのが、現実の社会とは別に結構大きく広がっていることに気付きました。
ちょうど、海を上からただの水面としてしか見ていなかったのが、ダイビングをして潜ってみると、まったく別の大きな世界、生き物の営みがあることを知るような感じです。

ネットは、そこに関わらない人に対して、後ろから襲いかかったり、言葉を投げかけたりする、ものではなく、その世界へあえて開いて入っていくとそこに巻き込まれてしまう、というものではないでしょうか。

またネット上での書き込みも、読んでくれる人がいて、それに反応してくれる人たちがいるから生き生きと生命をえているのです。
それを絶やすには、反応する人がなくなることです。
怖い物見たさで覗きたい気持ちはわかりますが、それで嫌になるなら、一切関わらない、というのがいいのではないでしょうか。
こわごわ覗いて、やっぱり怖かったと絶望するより、知らないことのほうが平和です。それに、ネットを覗かなければ、生活にどうしても必要な情報を知れない、というわけではないですから。
大人も、子どもたちにその提案をしたらどうでしょうか。
「猫を追うより皿を引け」ということわざと同じことです。


ただし、私はそのことについての実情に詳しくないからいえるのかも知れません。ネットを見なくても実害がある、ということであればぜひ教えてください。


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7 コメント

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親であれ行政であれ、規制には反対です (Devlin)
2007-11-02 01:33:28
>発信する側を取り締まるのはむずかしいし、取り締まろうとすればするほどかいくぐって行う、というのが物事の常です。
>思い切って、ネットに関わらない生活をしてみたらどうでしょうか。

あらま、思い切った発言ですこと。わたしの意見は正反対でした。民主的な社会において規制をかけるのは邪道だし、もってのほかだと思っています。これは行政であれ親であれ同じだと思います。子どもたちは判断力が乏しい、というのは事実でしょうけれども、どんなに幼い子どもであれ、自己決定権は尊重すべきだとわたしは思います。取り締まりに警察行政側の恣意が介在することに同意していただけるとは思いますが、親は本人の自己決定権を最大限に尊重すべきではないでしょうか。「ネットに関わらない生活をしてみたらどうでしょうか」というご提言については異論はありませんが、それを踏み越えて「ネットに関わるな」という強制になれば、それは子どもの自己決定権を奪うことにほかなりません。

問題の所在はどこにあるのか、という点から考えるならば、ネットの問題点を的確に捉え、親ないしは教育する立場から、個々の子どもたちに適切な助言を与えることしか方法はない、と考えます。これはあくまでも助言であって強制すべきではない、という点にご注目ください。「強制」という枷に対し、子どもたちから反発を受け、子どもたちはそれをかいくぐって経験したい思いにかられる、という経験則から考えるならば、強制すべきではないと考えます。助言が子どもたちに受け入れられるかどうかは、常日頃の子どもたちとの関係性によりますが、逆に言うならば、子どもたちと良好な関係をとれていない場合は、助言しても子どもたちは受け入れないでしょう。

以上がわたしの主張の第一点ですが、もう一つ問題があります。「ネット上でのいじめ」は何に起因するのでしょうか。この点を抜きにして立論し、いじめを受ける側の教訓ばかりを語るとすれば、あまりにも片手落ちではありませんか。確かに現状では、即効性のある対処法はありません。ですが、規制すればいい、などという権力的発想はもってのほかで、どのような原因で「ネット上でのいじめ」が起こっているのかを見据えなければ・・・。

以上の考察から、子どもたちに対しての有効な処方は、ネットに関わったら、いじめを受けるリスクがあるんだよ、ということをしっかり助言すべきなんだと思います。そして、いじめを受けた場合には、簡単な対処法はないけれど、毅然として闘いなさい、場合によっては助力ないしは支援してあげるよという姿勢を、子どもたちに対して明言すべきでしょう。支援の方法はいろいろあるはずです。最終的にはプライバシー侵害、名誉毀損など法的な対抗策を講じるなどの方法があるではありませんか。この場合、誰を被告にするか不明だ、とお考えになるかもしれません。被告を特定するのは簡単ではありませんが、プロバイダや接続したIPアドレスから対象を絞り込んでいく方法もあり、全く不可能というわけではありません。

以上述べたように、泣き寝入りしない・させないための、難しいテクニカルな壁はありますが、不可能ではないと考えます。そしてその方法やスキルをインターネットを通じて流通し、向上させるのは可能だとも考えています。そこにこそインターネットの力を発揮させられるはずだ、というふうにも思います。そう信じるからこそ、わたしは日々インターネットに接続し続けているんです。
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監視は難しそうです (ken)
2007-10-31 22:01:22
 携帯を購入できるのは、、未成年にはできないのでは? でも親が買い与えてしまうのだからしょうがないですね。安全のためというのもあるから、今さら禁止にはできないでしょう。
 法律で、未成年者に使える機種を限定し、一目でわかるようにすることはできないでしょうか。深刻な加害行為ができるわけですから、責任をとることができない未成年が無制限に持っていることは問題があります。

 監視は個人では無理ですね。正式な学校名や本名は見えないようにしているでしょうから、検索しても見つかりません。でも、メンバー以外の個人の氏名や学校名、住所、電話を公開してしまうのだから始末が悪い。本名があれば検索できるでしょうが、その時はもう被害が広がっている。
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ごめんなさい。無関係なことです。 (TOJC)
2007-10-31 11:57:35
>高知白バイ衝突死/いよいよ判決…高松高裁の判断は?
ご存知でしょうが、控訴棄却でした。なぜ?
死刑問題なら、大弁護団ができるのに、この程度の小さい?ものなら弁護士さんたちは、立ち上がってくれないのですか?
または、社民党が取り組みましょう!警察を敵に回すと、選挙でしっぺ返しがあることは知っています。しかし、そのためにみすみす冤罪を見逃すのですか?
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ネットの監視 (杉浦ひとみ)
2007-10-30 23:44:14
ネットの監視というのは簡単にできるものなのでしょうかしら。
まったくわからないのですが、もし監視できるとすると表現活動を監視することと裏腹で、難しい問題もはらみますよね。
また、ネットで共謀したときに、それが現実の日常にどれくらい影響を及ぼしてくるのか(この点をご存じの方はぜひ教えてください)。
もしそれが結構現実的な、具体的な危険であれば、触れないのみではダメかも知れませんが。
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法で規制されるなら (鉄甲機)
2007-10-30 23:43:41
 以前、ネットいじめ対策の研修会で講師先生が「携帯電話は言わば最高機能を持つF1マシン。ルールもマナーも知らず危機意識もない子どもたちが無免許でF1を駆って、高速道路を走り回っているのが現状。」と仰ってました。情報モラルやネット上でのマナーなどを教えてはいますが、それも結局は無免許F1ドライバーの子どもたちに「気をつけてね」とだけ言って送り出しているようなものです。

 使い方はともかく、大人以上に使いこなしている子どもたちからネット・携帯電話を取り上げるには、法で規制するしかないのでは。家庭・学校からの呼びかけだけでは持つ子も持たない子も出てきますし、全員持っていない状態にしないと意味がありません。
 …まあそんな法律が成立するとは思ってませんが。

 文科省は有害サイト対策でフィルタリングサービスの使用を呼び掛けていますが、これもおかしい。子どもたちに使わせるのなら始めからフィルタリングを掛けた状態で販売し、有料でその規制を外すのが本当だと思います。
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自分は抜けても (志村建世)
2007-10-30 22:23:43
ネット被害を防ぐ簡単な方法は、自分が触らないことですが、いま問題になっているのは、ネットにつながる多数が被害者を包囲してしまうことでしょう。こうなると、ネツトは単なるツールであって、いじめの共謀と同じことになってしまいます。ネットを監視すれば共謀の現場を早く発見できる、ということではないでしょうか。
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相手をしないのが一番 (ken)
2007-10-30 19:58:26
 それでいいと思います。
 まともな相手ではないとわかった時点で関わりを一切やめることです。それでも相手をしてくるときは、直接対決せず、管理者に助けを求めるなり、警察に被害届を出すなりするのがいいでしょう。

 以前にネット上でからまれて困ったことがあります。こちらからは相手にしないのですが、私の発言に関連のない嫌がらせのコメントをいちいちつけてくるのです。直接対応しないようにし、会員制でしたので、管理者に連絡して、除名にしてもらいました。
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