ヘヴィ・メタル専門誌BURRN!(シンコ―ミュージック) 2015年3月号に、ももクロとKISSが一緒に写っている写真が大きく掲載されています。(P11)。ももクロがオズフェスに参戦した際には、記事に取り上げないことを表明していた同誌でしたが、今回ばかりはそうもいかなかったようですね。
現在発売中の同誌3月号、KISSのポール・スタンレーとのインタビュー記事(インタビュアー、増田勇一氏)によれば、ある人物から、「ももクロとなにか一緒にやってみることに興味はあるか」という打診があったのだそうです。初めからももクロを知っていたわけではなく、その打診を受けてからももクロの曲やライヴ映像をチェックし、非常に強い興味を覚えたところから、最終的にKISS側がももクロに曲を提供し演奏するという、破格のコラボに至ったようです。
まあですから、「KISS側からのオファー」というのは、嘘ではないけれでも、100%正しいわけでもないのでしょうね。
ももクロの気に入った点について、やはり同記事より抜粋しますと
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「たとえばあの振付けがある。ヒップホップではなく、どこか伝統的であり、ゲイシャ的でもあり、しかも彼女たちは、自分達ではない何かになろうとはしていないと思えたんだ。俺の目から見ると、きわめて日本的で、しかも自分達の踏まえてきたものに対する誇りを感じさせられるんだよ。あの踊りは、俺に言わせればスモウのようでもあり…。」
(増田)ああ、なるほど。
「ふふっ。そうだろう?カブキもあるし、ゲイシャもあるし、いろいろなものが少しづつ、断片的に織り込まれている。そこに俺は大きな魅力を感じたんだ。正直、黒人のヒップホップ・アーティストを真似て踊っている女の子達には、俺は意義を見い出せないんだ。その点、彼女達がやっていることには独創性があって、俺は気に入った。衣装も素晴らしい。これは非常にエキサイティングだ、と思えたし、何か強く印象に残る、しかも時の試練に耐えられそうなものを書けそうな気がしたんだ」(以上抜粋終わり)
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素晴らしいですね、流石40年間、熾烈なエンタテインメント業界を生き抜いてきた方です。ももクロの特色を的確に見抜いている。見事です。
特に私は
>「自分達ではない何かになろうとはしていない…」
ここを見抜いたところが素晴らしいですね。
ももクロは当初より、「和」をコンセプトとしたグループだったし、表立っては言わないけれど、日本人であるということに、実はかなりこだわっているグループだと、私は以前から思っていましたから、ポールのこの指摘は実に嬉しいものがあります。
日本の伝統的なものを踏まえつつ、そこからさらに飛躍した、独自のものを作り上げていく。これはロックというものに立脚点を踏まえながらも、常にあらゆる方向性を模索し続けてきたKISSというバンドの在り方と通じるものがある、と、ポール及びKISS側が感じたのだ、と思う。
もちろんビジネスですから、裏側では様々な駆け引き等、とても表ざたには出来ないことがあったでしょうが、つまりは、上記のようなことが決め手となってのコラボ実現だったと、なるほど。
よくわかりました。
今回のコラボ、様々な意見が飛び交っているようです。が、まあ、そんなことはどうでもいいです(笑)
とにかく曲が良い。これに尽きる。
「何故KISSがアイドルなんかと…」なんてことを言う人は、抑々KISSの歴史を知らないのじゃないかと思いますね。80年代には、当時流行のディスコ・ミュージック風の曲「ラヴィン・ユー・ベイビー」を書いて賛否両論侃々諤々巻き起こしましたが、結局現在ではバンドを代表する曲として、ライブではほぼ必ず演奏される。観客はみな大喜び。あの論争はなんだったの?という感じ(笑)世の中なんてそんなもんです。
曲が良い。これは「命」です。この曲はももクロのこれからのキャリアの中でも、重要な位置をしめる曲になると確信します。ファンも外野も、屁理屈小理屈こねくり回してるんじゃない!
曲が良い。それが「すべて」です。
KISS-I Was Made For Loving You(邦題「ラヴィン・ユー・ベイビー」)
ももクロはこれからも進み続ける。自分達の手で、未来を伐り拓きながら。
さあてどちらの方向へ、どのように進んで行くのか
楽しみだ。