風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

本『線路はつながった ~三陸鉄道 復興の始発駅~』

2014-03-24 13:56:48 | 
  

                       



三陸鉄道は、岩手県沿岸部を走る、第三セクターによる旅客鉄道で、久慈と宮古を結ぶ「北リアス線」、釜石と盛を結ぶ「南リアス線」から成り立っています(宮古~釜石間はJR山田線により繋がっています)。

2011年3月11日の東日本大震災により、多大な損害を受けましたが、そのわずか5日後、3月16日には久慈~陸中野田間の運行を再開させます。

被害状況を視察していた時、被災者の方々が線路を道路代わりにして行き来していたことや、ガレキをかたずけていた方から「息子が高校に通うんだ。三鉄はいつ再開するんだ?」と訊ねられ、地元の方々のために、早急に復旧に務めようとする三鉄とその周辺の方々の活動が描かれていきます。



三陸鉄道は、ドラマ『あまちゃん』に「北三陸鉄道」として登場します。始発の久慈駅はドラマ内では北三陸駅。ドラマに登場する「袖が浜駅」は実在せず、撮影には海が最も綺麗に見える「堀内(ほりない)駅」を使ったとか、「おらと結婚してけろ」とペインティングされた電車の話、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)が駆けて行くトンネルの撮影秘話等々、『あまちゃん』ファンの方々も興味津々の話が載ってます。「奇跡の電車」の話とかね。



「奇跡の電車」を改装した「きっと、ずっと号」




三鉄の社長は「三年で全面復旧させる」ことを目標に掲げていたそうです。

スゴイですね、本当に三年目、今年の4月に全線開通に漕ぎ着けました。

会社の存続をかけたというのもありますが、なによりも地元の方々のために頑張った。

第三セクターの意地、見せてもらいました。



2014年、平成26年4月。

5日に南リアス線、6日には北リアス線が全線運転を再開します。

南リアス線にはレトロ列車、北リアス線にはお座敷列車も走るとか。

地元の方々が、待ちに待った再開です。



                  



『線路はつながった 三陸鉄道 復興の始発駅』

冨手淳(三陸鉄道旅客サービス部長)著

新潮社刊