海底大戦争(プレイステーション)
2007年12月21日掲載
これまた恥ずかしい文章である。なんでこんなの書いたのだろう?
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2Dシューティングを好む男は女性にモテる。
もちろんシューティングをプレイするからモテるのではない。シューティングを極めようとするほどの気概がある男がモテる、という意味だ。モテたいという気持ちは、繁殖をプログラムされた「生物」として健全な意識だ。貴兄もそろそろシューティングを始めて、モテてもいい頃合いじゃないか?
これからシューティングを始めるのならば、この「海底大戦争」を選んでみるのも面白い。もともとアーケードゲームとして発売された横スクロールシューティングだ。プレイヤーは潜水艦を操作し、状況に合った武器を選択しながら、海中および地上・空中の敵を破壊して進む。
こう書くと普通のシューティングと思うかも知れないが、アクションゲーム的でもある。本作の制作スタッフは、その後他社に移って「メタルスラッグ」を制作している。だからゲーム性もグラフィックも「メタルスラッグ」に近いので、わかる人にはイメージしやすいだろう。
まず目につくのは渋いタッチで細かく描き込まれたグラフィックだ。鉄の塊。質量。そして破壊され沈んでいくアニメーションパターン。悲劇性と喜劇性。増大するエントロピー。吹き抜ける爽快感。男の感覚を研ぎ澄ませ。撃て! 砕け! 瓦礫と化せ! その破壊の衝動に、男の本能を上乗せするんだ!
普通のシューティングに比べ、自機も敵も動作はとても遅い。だからそれほど反射神経は必要ない。また、アクションゲームのように、任意のタイミングでスクロールを進めることが出来る。だからといって簡単なゲームではない。周囲からじわじわと追いつめられるのだ。まるで真綿で首を絞められるかのようだ。敵の一つ一つを丁寧に処理していかなければ勝利は望めない。粗雑な男に未来は無い。
暴風のような攻撃力と氷の冷静さをもって敵を薙ぎ払え。ワイルド&クール。男の生き様そのものだ。冷たい海の底で、熱き達成感を味わってみろ!
本作ではノーコンティニュークリア(正確にはノーコンティニューで最終ボスに到達)すると、エンディングが物悲しいものとなる。ぜひ目指していただきたい。その体験は、貴兄に哀愁の色を帯びさせることだろう。命を賭して成し遂げたことが確かにあったことを心に携えていこう。
プレステ版ではバリアを装備できるバージョンもプレイできるし、隠しコマンドでステージセレクトして苦手な場所の練習も可能だ。エンディングを見る手段ではなくて、上達する手段として活用すると良いだろう。「手段を選ばない」ことは恥ずべきではない。「目的を選ばない」ことこそが恥ずべきなのだ。
本作は簡単なゲームではないが、ノーコンティニューでのクリアは誰でも十分に可能だ。それができれば貴兄の能力は証明され、心に自信が満ちてくることだろう。その自信を少しだけ外に向け、身につけた能力を日常でさりげなく発揮しよう。そうすれば、そんな貴兄を放っておく女性などいるはずがない。
つくづくシューティングとは男の性(さが)であると思う。自然の摂理であり、男の生き方である。シューティングは狩猟を想起させる。古代、狩猟の巧みな男達が一族を支えてきた。能力の高い男を選ぶため、狩猟する姿に女性が惹かれるのは当然だ。妻も、私がシューティングをしているときに限ってぬいぐるみを持って私にいたずらをしてくる。きっと私がただならぬオーラを発しているのだろう。おいおい、かんべんしておくれよ~、やられちゃうよ~。「ちゅどーん」 あっ!!
他のどんなゲームをプレイするのももちろん貴兄の自由だが、シューティングだけは外さない方がいい。2Dシューティング、プレイしない手は、無い。