サンダーフォースV パーフェクトシステム(プレイステーション)
2008年7月31日掲載、こいつはいろいろと恥ずかしいです
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サンダーフォースと私
参考;
サンダーフォースVI
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「サンダーフォースVI」が発表されたのを機に、「V」を納得するまでプレイし直しているところです。
本作「V」はプレイヤーからの圧倒的な支持を受けているのですが、その魅力は音楽・演出・爽快感であるとされています。だからといって本作は単なる「演出ゲーム」というわけではありません。「ゲームとプレイヤーの対話(=攻略)」という基本的な面白さが間違いなく込められています。
シューティングゲームの攻略にはクリア重視とスコア重視があります。本作では「フリーレンジ」という強力な武器があり、これを使えばボスも安全かつ高スコアで倒すことができます。細かい稼ぎは別にしても、クリア重視とスコア重視のプレイが多くの場合で一致しているのです。サターン版では比較的簡単にスコアがカウンターストップするらしいですが、プレステ版では改良されているようです。
難易度が低いうちは、フリーレンジを使いこなすゲームであると言っていいでしょう。そしてこのことが「テンポがいい」とか「気持ちいい」という評価につながっているのでしょう。軽快なプレイ感覚と演出でシューティングの間口を広げ、シューティング初心者でもクールなプレイが手軽にできるのです。
さて、初心者にオススメ、と言えばそうなのですが、私は演出・音楽・エンディングに酔えるという理由だけで人様にゲームをオススメしたりはしません。それに、私がいつまでも初心者と同じであってはならず、ゲームの奥深さを探求してそれを広く伝えたいと考えています。さらに言えば、初心者にこそゲームの厳しさとそれを乗り越えたときの達成感を知ってほしいのです。
私は「感動のシーン」や「感動のエンディング」にはそれほど興味がありません。興味があるのは「感動のプレイ」なのです。ゲームが一方的に語る何かに感動するのではなくて、ゲームとの対話を完成させた自分自身に感動するのです。
本作に対して私が最も素晴らしいと感じるのは、難易度ハードをクリアした後に出現する最高難易度(マスター)の面白さです。依然としてフリーレンジは主力ではあるのですが、それだけでは対応しきれないため、全ての武器を使いこなす面白さを感じました。敵弾を避ける操作も必要になりました。敵の攻撃の一つ一つに攻略法を考えなければなりませんでした。
ステージ道中にいくつか難所があり、敵弾を誘導しながら効果的な武器を選ぶ必要があります。始めはどうすればいいかわからないこともありましたが、敵の出現位置と武器の特性を落ち着いて考えてみると、効果的な方法がひらめくことが多々ありました。これこそがゲームの面白さでしょう!
難易度マスターとはいえ、理不尽な難しさはありません。練習のおかげでボスとステージ5以外はプレイが安定しています。ですが、いくつかのボスは攻撃がランダムなため、たまに変な攻撃が来てシールドが削られる緊張感は常にあります。ステージ6ボスの第3形態以降でやられることもしばしばあり、ノーミスクリアはなかなか難しいです。最終ボスの最終形態までノーミスだったのに、ボスが振り回す剣にうっかりやられて1ミスクリアとなってしまったときは悔しかったですね。
本作は爽快だけど大味だと言われることが割と多いのですが、上で述べたように難易度マスターに関しては大味なんてことは全くありません。一見すると甘いマスクと軽妙な語り口がウリの「ケーハクなイケメン」のようですが、深く付き合ってみると努力を重ね不動の信念を身につけた「実のあるイケメン」であることがわかります。
難易度マスターへの挑戦以外にはフリーレンジ封印プレイというのもあるのですが、序盤ボスからして意外と難しいので今後の課題にしたいと思います。実に長く遊べるゲームです。「VI」の発売日まで遊べそうです。
「VI」としての復活は、関係者の努力とファンの声援によって実現したのでしょう。「演出ゲームで終わらせるな」というのは多くのファンの思いでしょう。そして作品の評価は、ゲームを味わい尽くそうという「プレイヤーの努力」に、多くを負っているのです。
受け止める側も責任重大ですが、シューティング復活の第1弾、皆で盛り上げましょう!