国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

ニコライ2世処刑される-1918年7月16日

2006-07-16 18:22:27 | 歴史
ニューヨークタイムズの「今日は何の日」から。1918年7月16日、エカテリンブルグにおいて、ニコライ2世が殺害された。これに関する当時のニューヨークタイムズの記事の翻訳が以下のもの。

その中には、ソビエトの公式説明が載っていて興味深い。ソビエトの見解によれば、本来はニコライ2世に対して裁判が行われる予定であった。しかしそれは何らかの事情で遅れた。その間、ニコライ2世を奪還する反革命陰謀が露見されるという異常事態の中、ウラル地方ソビエトはやむなくニコライを殺害したということである。

ソビエトの見解では、処刑されたのは皇帝だけとある。しかし皇后と皇太子、ならびに4人の娘もすべて同時に処刑されている。

========
ウラルソビエトの命令によりロシアの前ツァーリが殺害される

ニコライは、チェコスロヴァキア軍による奪還が恐れられたために7月16日に銃殺された。

妻と世継ぎは無事

ボリシェビキ政府は行為を認め、反革命の陰謀のせいにしている

囚人の文書は押収されている

前皇帝の日記とラスプーチンの書簡はすぐに公開される」


ロンドン、7月20日--ロシアの声明によれば、ロシアの前ツァーリ、ニコライ・ロマノフは、7月16日に射殺された。

前皇后と世継ぎのアレクセイ・ロマノフは、安全な場所に移されている。

メッセージによれば、ソビエト委員会から前皇帝を奪う目的を持つ、反革命陰謀が発見された。チェコスロバキア軍団が接近しているという事実にかんがみて、ウラル地方委員会議長は、前支配者を処刑するという決定をして、7月16日に遂行された。

ボリシェビキ政府の中央執行機関は、前皇帝の問題に関係する重要な文書を持っていると述べている。その中には皇帝の日記と、革命直前に殺害されたラスプーチンからの書簡も含まれている。これら文書は近いうちに公開されるという。

ロシアのメッセージは次の通り。

「第五大会により選出された、中央執行委員会の第1回会議において、ウラル地方ソビエトから直接受信した、ニコライ・ロマノフ射殺に関するメッセージが公開された。

「最近、ウラルの州都エカテリンブルグは、チェコスロバキア軍団接近によりひどく脅かされていて、ソビエト権力の手から前ツァーリを奪還する目的の反革命陰謀が発覚した。この事実にかんがみて、ウラル地方ソビエト議長は、前ツァーリを殺害する決定をし、その決定は7月16日に執行された。

「ニコライ・ロマノフの妻と息子は、安全な場所に移されている。

「発見された陰謀に関する文書は、特使によりモスクワに伝えられた。人民に対する罪で裁かれるために、前ツァーリを裁判に移すことは最近決定されていた。のちに事情があり、この方針をとることが遅れていたのだ。

「ニコライ・ロマノフを射殺する決定を、ウラル地方ソビエトに強いた状況を議論した上で、中央執行委員会議長は、次のように判断をした。

「ロシア中央執行委員会は、その議長の名において、ウラル地方ソビエトの決定を通例のこととして受け入れる。

「中央執行委員会は、ニコライ・ロマノフの問題に関する、非常に重要な文書を持っている。すなわち最後の日まで彼がつけていた日記、彼の妻と子どもたちの日記、そして彼の通信文書。後者には、グレゴリー・ラスプーチンのロマノフ家に対する書簡も含まれている。これらの資料は精査され、近い将来に公表される。」

予示された処刑

ロシアの前ツァーリが暗殺されたという噂は、6月24日以来続いていた。これらのうち最初のものは、彼は、エカテリンブルグにおいて、赤軍により殺害されたと述べていた。この報道はのちに否定されたが、この否定のすぐ後に、ニコライは、エカテリンブルグでの裁判の後に、ボリシェビキにより処刑されたというジュネーブ電報が続いた。この報道は、ストックホルムからワシントンに届いた情報により確認されたように思われた。

次の報道は、ボリシェビキの外務人民委員チチェリンからの電信傍受と言われるものである。その中において、ニコライは死んでいると述べられていた。さらに別の報道では、エカテリンブルグからペルミに移される間に、護衛により斬られたいうものであった。これらすべての報道は、直接的な裏付けがない。

昨日の通信が真実であることは、疑いがないと思われる。それはロシアの無線通信の形式をとり、ロシアの無線通信施設がボリシェビキ管理下にある以上、前皇帝の死についての公式見解であると思われる。
=======
(http://www.nytimes.com/learning/general/onthisday/big/0716.html#article)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする