守屋前防衛次官の収賄疑惑に関連して、参議院の財政金融委員会は、額賀財務相の証人喚問を12月3日に行うことを議決した。去る2006年12月の宴席に額賀氏が出席したかどうか、守屋氏の証言と額賀氏の証言が食い違っていることを調査するためである。この宴席には、守屋前次官と贈賄容疑で逮捕されている山田洋行前専務が出席していたのだ。守屋氏の証人喚問も議決されたが、守屋次官の逮捕のために、国会への喚問はできなくなった。
朝日・読売・日経が、29日付の社説でこの問題を直接的間接的に扱っていた。三紙とも民主の国会戦術に疑問を呈していた。なぜならば従来の慣例を破って、証人喚問が全会一致ではなく、民主党らの多数決で議決されたからである。
日経「収賄容疑者はなぜ次官になれたのか」
読売「新テロ法案審議 参院では本質的論議を聞きたい」
朝日「額賀氏喚問―国政調査権の名が泣く」
額賀財務相の説明をどう評価するかには温度差があるが、民主の戦術に対して、民主に対して好意的であった朝日までが批判するのは珍しい。民主は方針を変更した方が無難ではないか?
朝日・読売・日経が、29日付の社説でこの問題を直接的間接的に扱っていた。三紙とも民主の国会戦術に疑問を呈していた。なぜならば従来の慣例を破って、証人喚問が全会一致ではなく、民主党らの多数決で議決されたからである。
日経「収賄容疑者はなぜ次官になれたのか」
「…民主党の戦術には疑問が多い。証人喚問の議決は全会一致で、とする原則を崩せば、人権上の問題を生ずる可能性がある。…
2006年12月4日の宴席への額賀福志郎財務相の出席に焦点を当てた追及も本質を外れている。宴席問題をめぐる自民、民主両党の主張を比べれば自民党に分がある。民主党が前次官から電話で聞いた情報というが、電話だけで座席表を確認できたのか。録音テープの公表など、より説得力のある説明が要る。 」
読売「新テロ法案審議 参院では本質的論議を聞きたい」
「与野党の論戦は最近、額賀財務相が山田洋行の元専務との宴席に同席したかどうか、という問題に集中している。参院財政金融委員会は、来月3日の額賀氏と守屋武昌・前防衛次官の証人喚問を異例の多数決で議決した。
額賀氏は昨年12月4日の宴席への同席を否定している。民主党は、同席したと主張し、全面対決の構えを見せる。
だが、仮に米要人を交えた多人数の会合に同席していても、額賀氏と元専務の癒着を意味することにはなるまい。全会一致の原則を崩してまで証人喚問を議決する必要があったのか、疑問である。」
朝日「額賀氏喚問―国政調査権の名が泣く」
「…疑惑の発覚後、額賀氏が財務相として国会の質疑で繰り返し野党の質問に答えてきたことは間違いない。自民党も写真などの「物証」を添えて、「額賀氏は別の会合に出ていた」とする調査結果を発表した。
疑いが晴れたわけではないが、野党は引き続き通常の国会質疑で財務相にただすことができる。しかも、宴席に出ていたかどうかの問題だけで、あえて全会一致の慣例を押し切ってまで、喚問の場に引き出す必要があったのだろうか。
証言に立たせたところで額賀氏が言い分を変えるとも思えない。もっぱら世論受けを狙った政治利用ではないのか、と言われても仕方あるまい。」
額賀財務相の説明をどう評価するかには温度差があるが、民主の戦術に対して、民主に対して好意的であった朝日までが批判するのは珍しい。民主は方針を変更した方が無難ではないか?