アフガニスタンのことは全く分からないので、エコノミスト誌の記事を要約して勉強する。記事は、6月24日付「軽い帝国(Empire Lite)の幻想」というもの。サブタイトルは「安全なくして、国家建設は機能しない」。「軽い帝国」という用語は気になる。マイケル・イグナティエフの著作の表題に由来する。この著作は、すでに翻訳も出ている。『軽い帝国―ボスニア、コソボ、アフガニスタンにおける国家建設』、中山俊宏訳、風行社。ここにこだわりすぎると混乱するので要約に進む。
タリバン後のアフガニスタンは、半分満たされたグラスのようである。2001年の軍事作戦以来、北部は経済的ならびに政治的復興が目覚ましい。昨年は14%も経済成長した。450万人の難民が帰還した。アフガニスタン人は、大統領選挙、議会選挙、新しい憲法にも投票した。女の子が学校に行くし、女性が大臣ポストにも選ばれた。携帯電話が飛ぶように売れている。カブールでは高層オフィスビルも建っている。
しかしグラスの半分はからである。アフガニスタン南部は常に問題があり、悪化している。パキスタンとの長い国境はアルカイダやタリバン残党の聖域である。南部ではアヘンの栽培が拡張している。さらに南部では、アメリカ主導の多国籍軍は、アルカイダ討伐に力を注ぎ、一般人の生活を安全にする地味な仕事をおろそかにしている。
タリバンは再編され、数千の武装人員を抱える。過去数ヶ月、1000人程度が南部の戦闘で亡くなっている。タリバンが抑圧したアヘン栽培が、記録的に栄えている。中央政府の権力は南部の奧まで届かない。他方中央政府が、地域的なごろつきや軍閥に依拠することが、冷笑を生んでいる。カルザイ大統領は、ほかに選択がないと言う。しかし1990年代の混沌とした軍閥時代との比較が避けられない。その時代はタリバン台頭で幕を閉じたのだ。タリバンは、無慈悲な宗教的戦士であり、愛されることはないが、少なくとも腐敗していず、秩序を回復したのだ。
南部の不安定が北に広まり、そこでの進歩を危険にさらすかもしれない。一つの兆候は、カブールにおける反米主義の異常なほとばしりである。
7月に、NATOが、アメリカ主導の多国籍軍から、南部四州の安全を保つ仕事を引き継ぐ。これはチャンスであり、危険でもある。もしNATOのベンチャーが成功するとすれば、それは現有6000以上の軍が必要であり、またNATO外からの援助、理想的にはムスリム諸国の援助が必要である。兵士は、より厳格な交戦規則と多くのヘリコプターが必要である。素早く安全に駆けつけるためである。カルザイ大統領には、腐敗した多くの役人を解雇することが必要である。南部の経済建設が、優先されなければならない。
2001年の侵攻の後に、少数の特権的な都市をのぞいては、国全体の基本的安全を保証することにほとんど注意が払われていない。これは素朴な考え方の結果である。すなわち限定的なアメリカの介入は、広範な支持と正当性を持った友好的政府を呼び出すだろうということである。これをマイケル・イグナチエフは「軽い帝国」と批判的に呼んだのだ。アフガニスタンでこのモデルが成功したと考えられたことが、二年後においてイラクで似たようなことが試みられた一つの理由である。しっかりと努力すれば、アフガンは崩壊から免れうるだろう。教訓は明らか。安全を与えることをせずに、さらに国家建設の試みをすることはどうしようもないのだ。
タリバン後のアフガニスタンは、半分満たされたグラスのようである。2001年の軍事作戦以来、北部は経済的ならびに政治的復興が目覚ましい。昨年は14%も経済成長した。450万人の難民が帰還した。アフガニスタン人は、大統領選挙、議会選挙、新しい憲法にも投票した。女の子が学校に行くし、女性が大臣ポストにも選ばれた。携帯電話が飛ぶように売れている。カブールでは高層オフィスビルも建っている。
しかしグラスの半分はからである。アフガニスタン南部は常に問題があり、悪化している。パキスタンとの長い国境はアルカイダやタリバン残党の聖域である。南部ではアヘンの栽培が拡張している。さらに南部では、アメリカ主導の多国籍軍は、アルカイダ討伐に力を注ぎ、一般人の生活を安全にする地味な仕事をおろそかにしている。
タリバンは再編され、数千の武装人員を抱える。過去数ヶ月、1000人程度が南部の戦闘で亡くなっている。タリバンが抑圧したアヘン栽培が、記録的に栄えている。中央政府の権力は南部の奧まで届かない。他方中央政府が、地域的なごろつきや軍閥に依拠することが、冷笑を生んでいる。カルザイ大統領は、ほかに選択がないと言う。しかし1990年代の混沌とした軍閥時代との比較が避けられない。その時代はタリバン台頭で幕を閉じたのだ。タリバンは、無慈悲な宗教的戦士であり、愛されることはないが、少なくとも腐敗していず、秩序を回復したのだ。
南部の不安定が北に広まり、そこでの進歩を危険にさらすかもしれない。一つの兆候は、カブールにおける反米主義の異常なほとばしりである。
7月に、NATOが、アメリカ主導の多国籍軍から、南部四州の安全を保つ仕事を引き継ぐ。これはチャンスであり、危険でもある。もしNATOのベンチャーが成功するとすれば、それは現有6000以上の軍が必要であり、またNATO外からの援助、理想的にはムスリム諸国の援助が必要である。兵士は、より厳格な交戦規則と多くのヘリコプターが必要である。素早く安全に駆けつけるためである。カルザイ大統領には、腐敗した多くの役人を解雇することが必要である。南部の経済建設が、優先されなければならない。
2001年の侵攻の後に、少数の特権的な都市をのぞいては、国全体の基本的安全を保証することにほとんど注意が払われていない。これは素朴な考え方の結果である。すなわち限定的なアメリカの介入は、広範な支持と正当性を持った友好的政府を呼び出すだろうということである。これをマイケル・イグナチエフは「軽い帝国」と批判的に呼んだのだ。アフガニスタンでこのモデルが成功したと考えられたことが、二年後においてイラクで似たようなことが試みられた一つの理由である。しっかりと努力すれば、アフガンは崩壊から免れうるだろう。教訓は明らか。安全を与えることをせずに、さらに国家建設の試みをすることはどうしようもないのだ。