国際学どうでしょう

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林彪再評価か

2007-09-30 14:33:23 | 時事問題
林彪は、毛沢東の後継者に指名された人物であった。しかし彼は、それにも関わらず、毛沢東暗殺事件を企てた。そしてその企てが発覚したために、彼は飛行機で国外逃亡を行った。だが、その途中のモンゴル・ソ連国境で墜落死した(1971年9月13日)。

もっとも毛沢東暗殺事件については、本当なのかどうかよく分からない。それはともかく林彪失脚は、その当時大きな衝撃を中国に与えた。つい先ごろまで敬意を捧げることが当然とされていた人物が、ある日突然裏切り者とされたからである。

さきごろNHK地上波で再放送されたBS特集「民衆が語る中国・激動の時代」では、農村へと下放されていた人物が当時を振り返り、林彪のクーデタの証拠であると公表された「五七一工程紀要」にかんして、本当のことが書かれていると述べていたことが印象に残った。例えば毛沢東に関して、民衆が離反し親しいものに見放されたとそこには記されているが、それは真実ではないのかと思ったと語られたのだ。大変大胆な発言であると私は感心した。

また林彪に関しては再評価の動きも出ているという報道がなされた。

「中国で抗日戦争の舞台となった山西省霊丘県平型関でこのほど、戦闘70周年の記念式典が開催され、毛沢東主席暗殺クーデター計画を企て、「反革命集団の主犯」とされた林彪・元党副主席の遺族が出席した。中国メディアなどが報じた。林氏の銅像も登場した。
 林氏の銅像が公式に登場したのは、林氏が1971年にクーデターに失敗し、国外逃亡を図って死亡して以降、初めてとみられる。今年8月1日の人民解放軍建軍80周年に合わせて開かれた軍記念展でも林氏の肖像写真が展示された。十大元帥の1人で、抗日戦争や国民党との内戦で貢献した林氏を再評価する動きとして注目される。
」(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007092500599)

もっとも気にかかる毛沢東暗殺事件の真相解明は期待できないが、とりあえず抗日戦争・国共内戦の軍事指導者として林彪が評価されることになるのだろうか。
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暫定税率をめぐる戦い

2007-09-19 23:03:06 | 時事問題
安倍内閣辞任前の9月8日、読売新聞社説は「税制関連法案 与野党協議で無用の混乱を防げ」を掲げていた。衆参ねじれの政治対立で経済が混乱することを避けるために、与野党に対して、協議のうえで税制関連法案改正の方向性を示すことを求めたものだ。

昨年までは、政府・与党提出の税制関連法案が国会を通過するのは困難ではなかった。しかし次の通常国会では、それが野党優位の参議院で否決されるおそれがある。もちろん参議院で野党が抵抗できるのは最大で60日間であり、その後衆議院で三分の二の多数で再議決することも可能である。

しかし問題はいわゆる「日切れ」、すなわち有効期限が設定されている法律である。揮発油税がその例に挙げられる。

「本来ガソリン1リットル当たり24・3円の揮発油税は、租特法により来年3月末まで48・6円の暫定税率が適用されている。同15円が32・1円に引き上げられている軽油引取税も同様だ。

租特法改正案を来年3月中に参院で可決成立させないと、揮発油税や軽油引取税は、4月1日から自動的に、ほぼ半分に減税される。ガソリンや軽油は安くなるが、道路財源に穴が開く。

与党は再可決で税率を維持できるが、野党が引き延ばし戦術に出たら、それも難しい。期限が切れた暫定税率を“復元”すれば、税率は短期間に大きく変動することになり、流通は買いだめなどで混乱するだろう。」

「話し合い解散」のエントリーを書いた後で、「日切れ」の問題を思い出し、ネットで調べてみると、朝日新聞に「衆院解散、春に照準 民主、予算審議で追い込みへ 」(http://www.asahi.com/politics/update/0918/TKY200709180385.html)という記事を見つけた。民主党は暫定税率に反対であるという。そして民主党は「話し合い解散」どころか、予算審議で与党を解散に追いつめるという趣旨であった。

「「テロ特措法よりも租税特別措置法の方が問題だ。道路特定財源をきちんと勉強するように」。津島派の閣僚経験者は額賀財務相にそう伝えた。租税特措法は道路特定財源である揮発油税(ガソリン税)の暫定税率を定めたもので、3月に期限切れを迎える予算関連法案の一つだ。民主党は道路特定財源を「無駄遣いの象徴」としており、反対する構えだ。

租税特措法が通らなければ予算の財源不足を招くため、政府・自民党からは「最大の焦点」との声が漏れる。逆に民主党幹部はこう自信をみせる。「『予算と引き換えの解散』の材料になるだろう」 」

春までにさまざまな政治的攻防が行われるようだ。読売新聞が懸念するような混乱が短期的には起こりそうである。もっとも、長い目で見れば、日本の政治のためになると国民が理解できるような戦いであればいいと願うばかりである。
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話し合い解散

2007-09-17 22:16:02 | 時事問題
(自民党総裁=首相就任が確実視されている)福田氏は「話し合い解散」の方向性を打ち出した。

「福田氏は15日未明の民放番組で「予算は通さないといけない」と述べており、来年度予算成立が見込まれる春の解散を念頭に置いた発言との見方が与野党に出ている。」

それに対して鳩山民主党幹事長は、16日、「「(予算成立前の解散は)国民の生活に響くという話も一理あると思う。民意にそむいても(首相への)問責(決議案提出)を強引にやって解散に追い込むつもりはない」と述べ、新政権樹立直後の問責決議案提出に慎重姿勢を示した。来年度予算成立後の解散に一定の理解を示したものとみられる。」(http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070917k0000m010142000c.html)

テロ特措法をどうするのかということが、今回の「話し合い解散」には抜けている。福田氏はインド洋での海上自衛隊の給油活動の必要性は認識しているが、野党との協議が重要であると述べていた。その意味するところは、この問題は、現在の臨時国会では時間的にタイトなので、野党の顔を立てて、先延ばしするということであると思われる。

とすれば通常国会で予算と給油法案を「話し合い解散」と引き替えに通すのであろうか。給油法案はどうしても衆院三分の二の再議決が必要であろう。予算成立後の解散に、民主党幹事長が傾いていることから考えて、福田氏の「話し合い解散」という変化球は、すでに相当威力を発揮しているということだ。福田氏、畏るべし。
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選挙管理内閣

2007-09-16 00:44:44 | 時事問題
選挙管理内閣というキーワードで当ブログを訪問される方が相当いる。

選挙管理内閣ってだれが言っているのだろう。例えば、民主党の鳩山由紀夫幹事長である。彼は、これから選出される自民党総裁=首相に対して「どのような首相でも、国政選挙を経ていないから民意を反映していない。選挙管理内閣だ」と述べている。(http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070915/skk070915001.htm)

これは野党の立場から、新しい内閣に対して衆議院解散総選挙を求める発言である。

マスコミも衆議院解散・総選挙が近くなったと感じ、次のように次の内閣を「選挙管理内閣」と呼んでいる。

「次の首相となる党総裁は、現実味を増す解散・総選挙を見据え、事実上の「選挙管理内閣」の役回りを担う。後継レースは国民的人気が高い麻生太郎幹事長らを軸に展開されるとみられるが、参院選で惨敗した党の政策転換の在り方も絡み、先行きは見通せない。」
(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20070913/20070913_002.shtml)

でも(新首相になることが有力視されている)福田氏は、衆議院を簡単に解散するかな?

これに関して、15日の共同記者会見で、次のような問が出された。
「衆議院では3分の2の勢力があり法案を可決できるが、その手段は使うのか。また、国民の信を問うということで早期解散を求める意見もあるが」

それに対して福田氏は次のように答えている。

「国会でどういう審議が行われるかにかかっている。話し合いをする前から、後のことを申し上げるのはどうか。解散は安倍総理が選出されてから1年、まだ解散されていない。今回の選挙で総理が変わる。解散をすべきではないかと言う話は当然出てくる。だからと言って時期をいつにするかは、国会運営、条件、環境を考えながら決めていくものだ。」
(http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/politics/gooeditor-20070915-01.html?fr=rk)

早期解散に対してイエスかノーか、何とでも解釈できる答えである。しかし衆院の三分の二の多数というパワーを簡単に放棄することはあるまい。福田氏はのらりくらりと政権運営をして、野党の失策を待つのではないか?

福島瑞穂社民党党首の発言はその意味で興味深い(もちろん注目しているのは前半部分だけである)。

「福田氏は暴走もなく、失言もせず、麻生氏と比較するとまともに見えるが『遅れてやってきた古い自民党』で、国民の痛みに向き合う政治はできない」
(http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20070916k0000m010103000c.html)

もっとも選挙管理内閣とは、公平な立場から選挙を遂行するためだけに作られた内閣である。選挙に対しては中立的な立場をとり、ましてや場合によっては、選挙後も政権にとどまることなど予定しないものである。この用語を野党が党派的に使用するのはともかく、マスコミが使用するのはどうかと思う。
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座右の銘

2007-09-15 18:10:21 | 時事問題
福田康夫元官房長官の座右の銘は、「誠実に日々一生懸命」であるという。古典に依らず、分かりやすいものである。官房長官時代、皮肉であいまいな発言を行い、人を煙に巻いていたような印象があるが、職責を尽くすために「誠実に日々一生懸命」であったに違いない。

他方、麻生太郎幹事長の座右の銘は、「天下為公」である。天下を公となす。世の中はみんなのものくらいの意義なのであろう。「天下為公」の典拠は「礼記」の一節らしい。また麻生氏の派閥の名称も、ニュースなどでは麻生派と呼ばれるが、正式には為公会である。

「天下為公」は、孫文も唱えたものだ。孫文の生涯は、負け戦の連続であった。「幕があがったら、芝居は終わっていたでは……」とまた麻生氏は名文句を吐いたそうだが、これも「天下為公」の宿命であろうか?
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展開は急だが…

2007-09-14 16:01:03 | 時事問題
安倍首相辞任後の自民党総裁選は、全国的に盛り上げるために、15日告示、23日投票とされた。

12日には安倍後継として、麻生幹事長有利という予測が出て、漫画やアニメ関連株が上がるという珍事を引き起こした。しかしそれはすぐにくつがえった。14日には福田元官房長官が、小泉元首相の支持や、多くの派閥の派閥の支持を集めて決定的に有利な情勢を作ってしまった。そのため額賀財務相は予定していた出馬を取りやめた。

これでは総裁選も全然盛り上がらない。渡辺金融相が「(昭和30年代を舞台にした漫画・映画の)『三丁目の夕日』どころか、四、五丁目の夕日みたいな感じだ。派閥の話し合いで総裁を決める時代ではないのでは」と皮肉ったのも当然である(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070914i106.htm)。一部の地域で行われる予定の予備選挙を、全国規模で行った方がいいのではないか。
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一寸先は闇

2007-09-12 23:33:26 | 散歩写真
勤務先の仕事で米子に来ていた。帰途につこうとしたときに、安倍首相辞任のニュースを知った。全く奇々怪々である。安倍首相を擁護する人物は、首相の病気(病名は未公表)を理由に挙げるが、しかしあまりにもタイミングが悪いと思う。



写真は米子駅構内に置かれた安倍首相辞任を伝える日本海新聞ニュース速報。
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毎日社説「小林氏辞職 公選法のあり方も議論したい」

2007-09-08 14:37:23 | 時事問題
小林温氏の議員辞職のことを、8日付の毎日新聞社説も取り上げていた。その中で私の関心を引いたのは、法の網のくぐり方が示されていたことである。

「選挙運動は基本的にボランティアで行うのが望ましいのは事実だが、組織力のある候補者を除き、日当を払わないと人手がなかなか確保できないとの声はよく聞く。実際には選挙前にアルバイトとして雇って割り増しして日当を払い、公示後は無報酬のボランティアに切り替え、法の網をくぐる方法もあるという。」

このような手法は決して褒められたことではない。しかし小林氏陣営は、なにゆえに、バイトに対して事前に割り増し日当を支払わなかったのか?

東京新聞の記事(「小林温議員陣営買収事件起訴 弱い組織に甘い認識」http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20070830/CK2007083002044970.html)によれば、第一に、小林氏陣営体制の不十分さである。小林陣営の出納責任者がが決まったのが、公示の二日前である。さらに第二に、その出納責任者の経験のなさである。その人物は「「私でも(出納責任者が)できるかな」と漏らしていたという。そしてその出納責任者が深い認識のないまま、開票当日、アルバイトの学生に日当を手渡したのであるという。

もちろん社説の趣旨は法の網のくぐり方をどうこう言っているのではない。公職選挙法の規制が厳しすぎることを問題にしているのだ。

「そもそも、立候補届け出日から投票前日までを「選挙運動期間」とし、期間中の戸別訪問禁止など厳しい規制を課している国はほとんどないのだ。…
 選挙公示後は、候補者同士の公開討論会を第三者が開くことも事実上困難だ。マニフェスト選挙の時代というのに、マニフェストの配布場所はなお限定的だ。金をかけず丁寧に政策を説明する有効な手段であるインターネットは各国で取り入れられているのに、まだ日本では利用できない。かねて指摘してきたように今の公選法は「あれもこれもしてはいけない」という「べからず集」であり、その結果、名前の連呼だけが中心となる選挙が続いている。」

もちろん社説が批判しているところは至極まっとうで、全く異論はない。


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運動と労務の間

2007-09-05 14:17:19 | 時事問題
今年7月の参院選挙で、神奈川選挙区から自民党の公認候補として立候補して当選した小林温氏は、出納責任者が公職選挙法違反で起訴されたのを受けて、議員辞職した。出納責任者が行ったことは、大学生24人らにビラ配りを依頼して、日当を支払ったことである。

何が問題なのか。公職選挙法では、選挙運動をするものと運動のために労務を提供するものを峻別する。前者には原則として報酬を支払うことはできない。

法には運動と労務が何であるのか明示されていない。もっとも、はがきの宛名書き、看板の運搬、ウグイス嬢、車の運転、手話通訳などは労務であるとされる。

朝日の5日付社説「議員辞職―潔いのはいいけれど」では、今回の議員辞職に関して「いくつか胸にすとんと落ちないところがある」として、そのうちのひとつにこの運動と労務との間のグレーゾーンをあげる(もっとも今回の潔い決断は、神奈川選挙区で次点であった公明党候補者に議席を譲るためでは?というあてこすりもこの社説のトーンではあるが)。

「 何が「運動」で、何が「労務」なのか、法に例示はない。グレーゾーンがあるのは確かで、選挙の現場では両者を明確に分けるのは難しいと言う。…
 有権者に訴える手段として、何をどう規制すべきなのか。時代の変化に即して、きちんと整理する必要がある。 」

まったくその通りであると思う。小林氏の場合は、ビラ配りに報酬を支払ったにすぎないのである。これが議員辞職にあたいすることなのかというと疑問符がたくさん付く。また同様に問題になっている民主党の青木愛参議院議員の場合は、1枚500円で看板を立てる仕事に関わった人物が公職選挙法違反で逮捕されている。看板の運搬はオッケーで、立てるのはアウトというのはよく分からない。このあたり「時代の変化に即して、きちんと整理する必要がある 」。
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「人事も経理も中国へ」

2007-09-04 12:05:22 | 散歩写真
日本のホワイトカラーは、先進国の中では生産性が低い。生産性向上に努めることが必要であるとよく言われる。しかし具体的に生産性を高めるとは、どういうことなのかが分からなかった。

しかしその一つの有効な手段が、中国へのアウトソーシングであることを見せつけられた。3日のNHKスペシャル「人事も経理も中国へ」を見たからである。その中では、通販会社ニッセンの総務課が、定型化できる仕事を、中国・大連の会社にアウトソーシングさせていく過程が描かれていた。具体的には各部署が使う車のリース管理の仕事であった。

印象に残ったのは二つ。ニッセンの経営側は、このアウトソーシングを社員の首切りには繋げないと言明した。もっともアウトソーシングすれば、労働の単価は780円/時間ですむ。これに対して日本人が同じ仕事をすると5500円/時間になる。経営側は、社員に対して5500円/時間の仕事を探せと求める。それは遠回しではあるが、日本人の首切りにつながるであろう。番組では2015年までに40万人分のホワイトカラーの仕事が中国に移ると予測されていた。

また二つめは、実際にアウトソーシングを迫られたニッセン総務のエースである「ミスター総務」氏の表情の変化である。彼は初めは経営側の要求に憮然としていたが、実際中国人の仕事ぶりやその意気込みを見て表情が明るくなっていく。おそらく仕事をまかせても大丈夫だろうという確信が得られたのと、アウトソーシングの必然性を納得できたと言うことなのであろう。そして彼は個人情報管理の仕事に自己の方向性を見いだそうとする。

中国へのホワイトカラーの仕事の流出は、コストベネフィットの観点からして仕方ないとは思う。しかしそのうち多くの仕事のアウトソーシングが進むとともに、中国側の人材不足などのために、人件費が高騰するとともにトラブルが続出するのではないかと、憎まれ口をたたくことくらいしかできない。
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