国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

バイオ燃料による温暖化促進

2007-12-13 16:53:17 | 時事問題
10日(月曜)、クローズアップ現代を視た。バイオ燃料がかえって、温暖化を促進しているという皮肉な現象が紹介されていた。取り上げられたのは、インドネシアのパーム椰子栽培である。

インドネシアでは、ディーゼル用バイオ燃料のため、パーム椰子の栽培が増えている。椰子の栽培のために、森林が伐採されている。これ自体も問題である。さらに泥炭層がむき出しになるために、そこに蓄積されていた炭酸ガスが放出される。エコ燃料で節約できる以上の、温暖化ガスが放出されると伝えていた。

本日時間が空いたので、このあたりの記事を探していると、「パーム油CO2放出量、化石燃料の10倍 NGO指摘 」という記事を見つけた(http://www.asahi.com/life/update/1206/TKY200712060063.html)。国際NGO「国際湿地保全連合」の大変ショッキングな報告を伝えている。記録に残しておきたい。
「パーム油を抽出するアブラヤシの耕地面積は、インドネシアとマレーシアが世界の90%を占める。同連合の調査では、このうち約20%が、植物の残骸(ざんがい)が炭化して積み重なって形成された「泥炭地」だった。泥炭地の樹木を伐採したり水路を掘ったりする耕作過程で、1ヘクタールあたり年間で最大100トンのCO2が放出されると試算。この結果、石油などの化石燃料をエネルギー源に使った場合より、3~10倍のCO2を放出するという。」
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霞が関埋蔵金伝説

2007-12-09 01:49:33 | 時事問題
埋蔵金論争は、よく分からない。

11月21日の自民党財政改革研究会・中間報告が、その発端であるらしい。

その中間報告では、短期的には2009年度の基礎年金国庫負担が2分の1に増大することに対処するための消費税値上げの必要性が指摘されていた。第2に、2010年代半ばを睨んで、消費税を社会保障目的税にして、税率を10%程度に上げる必要が示されていた。安倍内閣時代に抑えられていた、自民党内の「増税容認派」の復活と見られる。

さて埋蔵金論争だが、その中間報告には、

(1)民主党の政策批判という形で「霞が関埋蔵金伝説」を否定している。

民主党が主張している、増税しなくても節約などで総額15兆円が捻出できることを否定しているのである(話が複雑になるので、この批判の当否は検討しない。でもやはり15兆円捻出はチョー難しいと直感的に思う)。

さらにそれだけでなく、
(2)特別会計の中には多額の積立金をもつものがあり、それを財政再建のために使える「埋蔵金」とする見解に対する批判もなされる。

保険事業などの積立金は将来の保険給付のためであるように、それぞれの特会の積立金には目的が存在している。さらに必要以上の積立金は、一定のルールにしたがい財政に貢献することになっている。ゆえに「埋蔵金」は存在しないということである。

このような見解に対して、「上げ潮派」の中川秀直元自民党幹事長が反発した。中川氏のブログによれば「埋蔵金」は実在するという。(http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress/index.php?p=57)

具体的には、次のものが挙げられている。

「○財融資金特会の繰越利益(金利変動準備金+本年度利益)19.6兆円
○外為資金特会の繰越利益(積立金+本年度利益)19.3兆円
財融資金特会からは06年度に12兆円を財政健全化への貢献のために取り崩したが、それでも上記の繰越利益あり。
外為資金特会からも毎年1.6兆円を一般会計に繰り入れているが、それでも上記の繰越利益あり」

そして特に前者の財融特会に関して、
「・財融資金特会では、必要積立額が資産の10%と「政令」で決まっているが、それは政令であって、法律ではない。
 ○08年度以降、金融変動リスクは相当程度減少することは財務省も認めている。
 ○仮に5%に政令改正すれば、08年度に約10兆円、09年度に3兆円程度、10年度以降は1-2兆円程度の財政健全化への貢献が可能となる。」

ゆえに来年度は、10兆円を財政赤字解消に活用できると示している。だが報道によれば、これは既定の方針であるというのだ。

「…特別会計改革は小泉政権後、着々と進んでおり、今年3月には「特別会計に関する法律」が成立、特別会計の余剰利益を国債返済に充当することはすでに既定路線となっていた。来年度予算では財政融資特別会計の積立金のうち約10兆円を国債返済に充てることも内定しており、中川氏の「10兆円」がこれを指すならば、織り込み済みの話なのだ。」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071208-00000935-san-pol)

つまり中間報告の「さらに必要以上の積立金は、一定のルールにしたがい財政に貢献することになっている。ゆえに「埋蔵金」は存在しない」ということなのである。

邪推するに「増税容認派」に押された「上げ潮派」の反抗として、中川氏は進軍ラッパを吹いてみただけということなのであろう。そしてそれにマスコミが釣られたのであろう。
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ルーシー、チャーリー・ブラウン、フットボール

2007-12-08 00:49:20 | 時事問題
“This is like Lucy and Charlie Brown and the football.”

これは米国の前国連大使ボルトン氏の言葉であるが、意味が全く分からなかった。「これは、ルーシー、チャーリー・ブラウン、フットボールのようである」???

Wikipediaで調べると分かった。ルーシー、チャーリー・ブラウンが登場する『ピーナッツ』では、毎年秋に、ルーシーがフットボールをセットして、チャーリー・ブラウンに蹴らせる。しかしルーシーは、途中でボールを引っ込め、チャーリー・ブラウンは、勢い余って空中に浮かび、背中から落下して、痛い目に遭う。『ピーナッツ』シリーズでは、チャーリー・ブラウンがフットボールを蹴ることは決してなかったとのことである。

つまり「ルーシーはフットボールをセットするけど、途中で引っ込めるので、チャーリー・ブラウンは決してボールを蹴れませんって。毎度のことじゃないですか」ということなのであろう。

実は、これはボルトン氏の米国の北朝鮮政策批判である。ルーシーが北朝鮮、チャーリー・ブラウンは米国、フットボールは核問題解決を指すのであろう。

そしてボルトン氏のこの批判が引用されているのは、米国のブッシュ大統領が北朝鮮の金正日国防委員長に書簡を送ったという記事であった(A New Bush Tack on North Korea)。今月初めに出されたこの書簡では、ブッシュ大統領が、金正日国防委員長に対して、核施設の無力化と核計画の申告をすれば、米朝国交正常化の見通しがあるということを述べているという。

またこの書簡の中では、北朝鮮からの核技術の流出について北に問いかけている。9月におきたイスラエルのシリアの核施設攻撃に関して、シリアの核開発に対する北の協力が語られているからである。

かつてブッシュ大統領が、金正日国防委員長を“pygmy”や“tyrant”と呼んでいたことを思えば、米国の北朝鮮核問題解決にかける本気の度合いが理解できる。

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外国人研修生について学ぶ

2007-12-06 13:12:39 | 時事問題
5日のNHKクローズアップ現代で外国人研修生問題を取り上げていた。年間数万人の外国人がこの制度のもと、日本で研修を行っている。

コメンテーター氏の指摘によれば、この制度のトラブルの第一は、日本側経営者が「研修生」に対して残業を行わせることである。

外国人研修制度は期限は最長3年である。1年目は「研修生」として、技術習得に励む。その代わりに賃金ではなく、生活費が支払われる(およそ平均月6万5千円)。1年目の「研修生」は労働しているのではなく、研修なので残業などありえないのである。

しかしここにホンネとタテマエの差がはっきりと現れる。日本側経営者が欲しているのは、雇用調整がきく安価な労働力である。他方外国人研修生の側も、目的は技術修得ではなく、お金儲けなのである。番組では、嫁を日本に研修生として送り出す中国の家庭の風景が流れていた。その中で、姑が嫁の金儲けを期待して、嬉々としてインタビューに応じる姿が、大変印象的であった。

なお中国の仲介業者も、研修生が日本側企業とトラブルを起こすことを恐れている。そのために研修生に対して大変厳しい誓約をさせている。例えば異性交遊禁止、日本側経営者に絶対服従、日本企業に損害を与えないなどである。さらに研修生の逃亡を防ぐために、20万元程度の借用書を書かせるものもいる。業者が給与の一部を預かり、後に支払うということなのであろう。

さらにトラブルの第二は、「労災とばし」というものであるという。外国人研修制度の2から3年目は、「技能実習生」と呼ばれ、最低賃金が保障され、労働者保護が行われる。当然労災保険掛け金なども給料から天引きされるのであるが、天引きはされるが掛け金は支払われていないことがある。実際労災が起きた場合には、経営者は、寮で事故が起き、労災ではないと言い逃れる事例があるという。

二人目のコメンテーター氏が、研修生の大部分を占める中国人が声を上げている抗議に関して、「一人っ子世代」の影響を指摘していたのは興味深かった。「一人っ子世代」は、今までひどい労働条件に黙って耐えいていた前の世代とは異なり、自己主張を行うということなのであろう。

最後に同じコメンテーター氏が、述べていたように、「研修生」を実際の戦力として期待するのであれば、彼らに対してプラスが必要である。日本に来て良かった、技術を学ぶことができたという満足が必要であるとの指摘はその通りであると思った。
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クリスマス・イルミネーション2007

2007-12-04 18:29:03 | 雑談
 このブログにクリスマス・イルミネーションという検索結果で訪問される方がいる。よくよく注意してみれば、本年も勤務先(大阪学院大学)のクリスマス・イルミネーションが開始されていた。12月25日(火)まで17:00~20:00の時間帯に点灯しているとのことである。





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