吉本新喜劇では辻本さん扮するお爺さんが、ちゃかす台詞を連発し、劇の流れをかき回し、観客の期待を裏切らない。松岡利勝農相も、いきなりパーティー券処理をめぐってマスコミをにぎわせ、皆の期待を裏切らなかった。松岡農相は、昨年12月、出資法違反の嫌疑を受けている関連企業から100万円のパーティ券を購入してもらったが、それをきちんと公表していなかったのである(9月26日に修正報告ずみ)。政治資金規正法によれば、年間20万円を越えるパーティー券を購入したものは、名前と金額を公表することになっている。
政治資金パーティーとは、政治家を激励するために、支持者が集まり、政治資金を寄付するもの。かつて、団体献金の弊害が指摘されたとき、その弊害を是正するために、市民が主体的に参加し、献金するパーティが提案されたこともあったと聞いている。しかし日本では、市民が主体に参加と言うより、企業が、政治献金の抜け道として、多人数のパーティ券をまとめ買いすることとなり、最近では上記のように規制されている。
ところで、週刊文春は6月21日に「安倍晋三の足を引っ張る?「九州のムネオ」松岡利勝」という記事を書いていた(http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20060622-01-0702.html)。さすが文春だ!安倍氏の自民党総裁選をにらんで作られた「再チャレンジ支援議員連盟」に関して、自民党中堅議員の懸念が引用されている。
「松岡さんは正直な人というか、猟官運動の臭いをぷんぷんとさせている。安倍さんとさほど親しい関係でもないのに、昔からの盟友のような顔をして『ああしろ、こうしろ』と議連を仕切ろうとする。あれでは議連が盛り上がらないし、ひいては、ひいきの引き倒しになってしまう」
また同記事では、松岡農相の兄貴分として二人の名前が挙げられている。郵政問題で自民党を除名された亀井静香国民新党代表代行と、斡旋収賄で公判中の鈴木宗男新党大地代表である。
「松岡氏はある意味でこの二人より典型的な族議員だった。ムネオ氏が主導した過去の北朝鮮へのコメ支援問題でも、農林族の松岡氏は安価な外米ではなく国産米を利用するよう主張し、部会で大暴れした。大声で反対者を恫喝する姿が兄貴分とよく似ていることから、付いたあだ名が「九州のムネオ」。」
「族議員」とは、官庁や業界団体の代弁者として働く中堅議員のこと。ここでは松岡氏は、農業団体のために、割高な国産米を北朝鮮に援助するよう強引にねじ込んだということである。また「部会」とは、自民党政務調査会農林部会のことで、自民党内にある政策を議論する機関である。自民党が国会で多数を占めている現状では(参院では公明党の支持が必要だが)、自民党内で議論をまとめれば、案件の国会通過の可能性は極めて高くなる。それゆえに、国会の本会議や委員会の議論よりも、場合によっては自民党内の部会での議論の方が重要になったりする場合がままあるのだ。松岡氏の兄貴分のムネオ氏が、外交問題で極めて大きな影響力を占めていた一つの要因は、自民党の部会を牛耳っていたことが挙げられる。
文春の記事は最後は次のようなオチで括られている。
「ちなみに安倍氏は「拉致問題の解決なくして支援なし」と、これらのコメ支援に猛反対していた。安倍氏がそのことをどう思っているか、などと気に病むほど松岡センセイはナイーブではないようだ。」
政治資金パーティーとは、政治家を激励するために、支持者が集まり、政治資金を寄付するもの。かつて、団体献金の弊害が指摘されたとき、その弊害を是正するために、市民が主体的に参加し、献金するパーティが提案されたこともあったと聞いている。しかし日本では、市民が主体に参加と言うより、企業が、政治献金の抜け道として、多人数のパーティ券をまとめ買いすることとなり、最近では上記のように規制されている。
ところで、週刊文春は6月21日に「安倍晋三の足を引っ張る?「九州のムネオ」松岡利勝」という記事を書いていた(http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20060622-01-0702.html)。さすが文春だ!安倍氏の自民党総裁選をにらんで作られた「再チャレンジ支援議員連盟」に関して、自民党中堅議員の懸念が引用されている。
「松岡さんは正直な人というか、猟官運動の臭いをぷんぷんとさせている。安倍さんとさほど親しい関係でもないのに、昔からの盟友のような顔をして『ああしろ、こうしろ』と議連を仕切ろうとする。あれでは議連が盛り上がらないし、ひいては、ひいきの引き倒しになってしまう」
また同記事では、松岡農相の兄貴分として二人の名前が挙げられている。郵政問題で自民党を除名された亀井静香国民新党代表代行と、斡旋収賄で公判中の鈴木宗男新党大地代表である。
「松岡氏はある意味でこの二人より典型的な族議員だった。ムネオ氏が主導した過去の北朝鮮へのコメ支援問題でも、農林族の松岡氏は安価な外米ではなく国産米を利用するよう主張し、部会で大暴れした。大声で反対者を恫喝する姿が兄貴分とよく似ていることから、付いたあだ名が「九州のムネオ」。」
「族議員」とは、官庁や業界団体の代弁者として働く中堅議員のこと。ここでは松岡氏は、農業団体のために、割高な国産米を北朝鮮に援助するよう強引にねじ込んだということである。また「部会」とは、自民党政務調査会農林部会のことで、自民党内にある政策を議論する機関である。自民党が国会で多数を占めている現状では(参院では公明党の支持が必要だが)、自民党内で議論をまとめれば、案件の国会通過の可能性は極めて高くなる。それゆえに、国会の本会議や委員会の議論よりも、場合によっては自民党内の部会での議論の方が重要になったりする場合がままあるのだ。松岡氏の兄貴分のムネオ氏が、外交問題で極めて大きな影響力を占めていた一つの要因は、自民党の部会を牛耳っていたことが挙げられる。
文春の記事は最後は次のようなオチで括られている。
「ちなみに安倍氏は「拉致問題の解決なくして支援なし」と、これらのコメ支援に猛反対していた。安倍氏がそのことをどう思っているか、などと気に病むほど松岡センセイはナイーブではないようだ。」