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シンセンや上海のライバルを計画する-浜海新区

2006-07-04 00:08:03 | 時事問題
エコノミスト誌6月24日号に「国家を建設する、シンセンや上海のライバルを計画する」という記事があった。浜海新区に関するものであった。浜海新区って何だ?

まず基本的説明から。
「浜海区は天津市の東部臨海地区に位置し、天津港、開発区、保税区などから成る。総面積は2270平方メートル、人口は107万人で、中国北方地域でも経済発展が最も早い地域の一つになっている。」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2005&d=0628&f=business_0628_003.shtml

続いて記事の要約。

天津の指導部は1994年にこの地区を特別区に指定していた。昨年中央政府がそれを国家レベルの計画と認めた。今年3月の全人代では、5カ年規画に組み込まれた。6月には、総合・複合改革試験区とされた。

浜海を重視することは、西部や東北部の発展していない地域に対する投資に力を入れるという指導部のレトリックにもかかわらず、沿岸部が資金を投入するための良い場所であると見られているということだ。浜海を改革の試験地とすることで、指導部は、外資による侵略などという経済変革に対する批判に慌てていないというシグナルを送っているのだ。浜海は、1994年から昨年まで159億ドルの外資が投じられたが、2010年までにさらに200億ドル投じられることを期待している。過熱の不安にもかかわらず、浜海は、次の5年間、年間平均17%のGDP増加をねらっている。

浜海は、総合・複合改革のパッケージの詳細を今作っているところだ。政治改革は、官僚制を簡素化する以外は、重要な話題ではない。中国の指導部は、民主化実験を行う自由をシンセンのために求める学者の呼び掛けにうんざりしている。北京に近い、浜海は先駆者にはなりにくいだろう。

浜海の役人は、金融部門の改革について、いわゆる「土地管理」の改革について語ることを好む。後者は、中国経済改革のもっとも熱く論じられるテーマである。田舎の土地をいかにして商品にするかということである。「土地私有」の可能性すらささやかれている。浜海では、シンセンや浦東とは違うアプローチがとられるとも言われている。シンセンや浦東では、政府は少しの補償で土地を収用するだけであった。浜海の新機軸は、農民が土地利用権を得て、利益を得ることを可能とするものである。

水供給については、市場改革は明白ではない。天津は水が不足している。浜海は、ものすごく高くつく揚子江流域の水や、高くつく海水を真水にすることに依存することになるだろう。産業ではなく、政府が大部分の負担を負うこととなる。
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