試写にて、ジャック・リヴェットの最新作『ランジェ公爵夫人』を見る。
実際にマヨルカ島で撮影されたのかどうかわからないが(たぶんシチリア辺りでロケされたのではないでしょうか)、孤島の波打際にそびえる、城塞のような寺院の佇まいがただ事ではない。まるでジョゼフ・ロージーの恐るべき怪作『Boom(夕なぎ)』(1968)のエリザベス・テイラーの邸宅のようだ。
ランジェ公爵夫人を愛してしまった主人公のナポレオン軍将校は、この礼拝堂で姿なき歌声を耳にする。リヴェットが提示したこの歌声こそ、真の意味でのaudioである。ラテン語で"au-dio"、つまり「神のエコーに抱かれること」、これがオーディオの語源なのだと言われている。将校はこのaudioに対して打音で応える、戦で負傷した義足をコツコツと響かせながら。
厳格な戒律を墨守するカルメル会修道院に出家し、テレーズ修道女となったランジェ公爵夫人を、将校は拉致することができるのか? そこでリヴェット恒例の秘密結社が暗躍するのである。
この謎めいたストーリー、やはりリヴェットはこうでなくては。いや、この厳格さと自由闊達さ。ヌーヴェルヴァーグはこうでなくては!
来年4月5日(土)岩波ホールにてロードショー
http://www.cetera.co.jp/Langeais/
実際にマヨルカ島で撮影されたのかどうかわからないが(たぶんシチリア辺りでロケされたのではないでしょうか)、孤島の波打際にそびえる、城塞のような寺院の佇まいがただ事ではない。まるでジョゼフ・ロージーの恐るべき怪作『Boom(夕なぎ)』(1968)のエリザベス・テイラーの邸宅のようだ。
ランジェ公爵夫人を愛してしまった主人公のナポレオン軍将校は、この礼拝堂で姿なき歌声を耳にする。リヴェットが提示したこの歌声こそ、真の意味でのaudioである。ラテン語で"au-dio"、つまり「神のエコーに抱かれること」、これがオーディオの語源なのだと言われている。将校はこのaudioに対して打音で応える、戦で負傷した義足をコツコツと響かせながら。
厳格な戒律を墨守するカルメル会修道院に出家し、テレーズ修道女となったランジェ公爵夫人を、将校は拉致することができるのか? そこでリヴェット恒例の秘密結社が暗躍するのである。
この謎めいたストーリー、やはりリヴェットはこうでなくては。いや、この厳格さと自由闊達さ。ヌーヴェルヴァーグはこうでなくては!
来年4月5日(土)岩波ホールにてロードショー
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