紀伊國屋レーベルのDVD2本購入。まず見たのは、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『愛は死より残酷』で、これは彼の長編デビュー作(1968)であるが、このぶっきらぼうでいながら、たっぷりと媚薬のかかったような作品を見ていると、再び忘れかけていたRWF病をずぶりと患いそうで怖いほどだ。本当に凄い監督だと思うし、こんな人は、今では世界中どこを捜してもいない。
RWF映画の登場人物たちの情けなさ、無様さ、陳腐さは、私たちの生の陳腐さを拡大鏡で押し広げたものだと思う。と同時にそれは、「これは私たちの映画だ」というような普遍的受容を許すことはない。つまり、徹頭徹尾、西ドイツという分断国家の市井という反-普遍に身を浸しながらも、逆に、それを見る私たちのうぬぼれを映し出すミラーでもありうるという点こそが、彼の映画の面白さなのだと思う。もちろん、サーク(ズィルク)映画との関連云々についてなど、昨今は多くの事柄が語られているが、今は措いておこう。
特典映像として、デビュー前の短編2作が収録されている。こちらは両方とも初見。『都会の放浪者』(1966)はRWF本人によればロメール『獅子座』を模して製作したものだという。まあ、冒頭あたりのルンペンの様子は似ていなくもないが。
RWF映画の登場人物たちの情けなさ、無様さ、陳腐さは、私たちの生の陳腐さを拡大鏡で押し広げたものだと思う。と同時にそれは、「これは私たちの映画だ」というような普遍的受容を許すことはない。つまり、徹頭徹尾、西ドイツという分断国家の市井という反-普遍に身を浸しながらも、逆に、それを見る私たちのうぬぼれを映し出すミラーでもありうるという点こそが、彼の映画の面白さなのだと思う。もちろん、サーク(ズィルク)映画との関連云々についてなど、昨今は多くの事柄が語られているが、今は措いておこう。
特典映像として、デビュー前の短編2作が収録されている。こちらは両方とも初見。『都会の放浪者』(1966)はRWF本人によればロメール『獅子座』を模して製作したものだという。まあ、冒頭あたりのルンペンの様子は似ていなくもないが。
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