荻野洋一 映画等覚書ブログ

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スペイン 4-1 ロシア

2008-06-11 13:18:00 | サッカー
 大会4日目。
 フース・ヒディンク、このしたたかな雇われマダムのような存在が、そしてチロル地方の雷雨が、ふだんは快晴の空の下でリーガ・エスパニョーラを戦っているスペイン代表たちに、悪夢の予感を漂わせる。忘れもしない2002年、ヒディンクマジックによって、彼らは韓国に苦杯をなめたことがあったから(不正ジャッジもあったが)。

 しかし関係なかった。今朝はいわゆる「クアトロ・フゴーネス」(4人の創造者、つまりイニエスタ、セスク、シルバ、シャビ)を採用せず、フェルナンド・トーレスとビジャの2トップを採用した。結果は当たり。ビジャのハットトリック、プラス、途中から入った「創造者」の一人セスクのヘッドで4点。自分たちのサッカーを実現すれば、何の問題もなかった。

 今大会これまで、各国とも意外とトラップミスやミドルシュートのふかしが散見されたのだが、それは新型ボールのせいか、芝の長さのせいか、とも推測されていた。しかし、これも違った。私たちがリーガ・エスパニョーラでふだん見ていた、あのピタリと止まるトラップ、吸い付くようなドリブル、切れのあるフェイント、そして恐ろしく正確なスルーパスは、やっぱりスペインが(雨の中にもかかわらず)見せてくれた。オランダほど大きな展開ではないが、狭くタイトな空間に穴を開けるこのテクニックの高さは、他国には見られない水準だ。


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