ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

愚か者

2015-02-08 22:34:28 | 日記
老人同士のイジメが、露骨になってきている。

要支援組の元気なジイサンが
耳の遠いジイサンを愚弄する。
廊下ですれ違いざまに「バカ」と吐き捨てるというから
まるで小学生並みだ。

認知症のオバアチャンが毎日同じ話をするのを聞いて
要支援組の賑やかバアチャン集団が
「ほ~ら始まったわよ」と手をたたいて笑う。
胸くそ悪いとはこのことだ。

元気な要支援組が障害を持つ高齢者をいじめるばかりではない。

脳梗塞による麻痺を抱えてうまく喋れないバアサンが
同じく車椅子生活で
食堂の席についてもぐーぐー寝てばかりいるジイサンに対して
「アッチに行け!」とばかりに
動くほうの手でシッシッとやるのである。

なんでそんなことするの?と聞いたら
「きたないから」と、一刀両断。
ご自分は口の中も麻痺しているからと
お茶に浸した一口サイズの食パンに
チョコレートソースとマヨネーズをかけ
ぐちゃぐちゃにして食べている。
その得体の知れない食べ物だって
傍から見たら十分にきたないのだが…。

きのうは認知症の新人オバアチャンが
食堂でどこに座ろうかとおろおろしていたら
病気による浮腫みで全身パンパンのバアサンが
「あんたはあっち!」と
認知症の方々がなぜか揃って座っている席を指差した。
自分だって、以前、要支援組からのけ者にされて
大喧嘩していたじゃないか。

まったく、あきれてものが言えない。

アンタたちの孫やひ孫に
その愚かしい姿を見せてやりたいわ。


ミヨの世界

2015-02-04 22:39:09 | 日記
たびたび登場する、妄想壁のミヨ。

「引き出しの中に死体が入っている」とか
「お兄さんを殺した中国人が今度は私を殺しに来る」とか
相変わらず物騒なことを宙に向かって喋り続けているのだが
先日は面白いことを言った。

引きこもりで食堂に来ることを拒み続けている彼女のところへ
食事を届けに行ったときのこと。

テレビに、石塚英彦が出ていた。
土曜の昼だったから、たぶん「メレンゲの気持ち」だろう。
じっと睨むように画面を見ていたミヨが
突然指を差し、激しい口調でひとこと。

「この人、キライ!!!」

え、どうして?

「だってこの人、食べるばかりで芸がないのよ!」

妄言ばかりの彼女の口から
まさかタレント批判が出てこようとは…

わかっているのかいないのか
ミヨの頭の中はいったいどうなっているんだろう。

祝う、夜。

2015-02-03 01:12:33 | 日記
離れて暮らす息子の誕生日。
深夜だけれど、ヤツはまだ起きているだろう。

「生まれてくれて、ありがとう。
人生を楽しむ知恵と心を持つ人に成長してくれたこと
それは私の誇りです」

と、メールを送る。

すかさず返事が。

「うおっ、ありがとう。
生まれてきてよかったと思ってるよ。
ありがとうございます」

28年前の雪の日を思い、ゆらゆらと心地よく酒に酔う。