ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

おっさん、電車で席を譲られる。

2019-06-16 23:50:51 | 日記
絶対にブログに書くなよ!
そう本人からきつく釘を刺されているが
どうしても黙っていられない。

おっさんのことである。

きのう、おっさんはションボリして帰ってきた。

「あのさ、俺、今日、電車で席を譲られた」

混んだ電車に乗り込み
押し込まれるようにして優先席の前に立ったら
30代とおぼしき女性がおっさんの顔を見て
さっと席から立ち上がった。
あ、降りるのかなと、おっさんは思った。
しかし彼がその空いた席に座ったら
女性は降りるどころか
おっさんの前で吊革につかまったというのだ。

俺、年寄りだと思われたのかな。
俺、そんなに老けて見えるのかな。
ショックだ~~~!!!

仕事帰りで疲れた顔してたからじゃないの?
郷里のお父さんを思い出して
優しい気持ちになったんじゃないの?

優しい言葉を知らぬ女房の慰めは
おっさんをさらに深く突き落とす。

「お前に話すんじゃなかった」と肩を落として
おっさんは寝室に消えていったのだった。

おっさんの名誉のために言っておくが
彼はまだ席を譲られるほどジジイには見えない。
破産騒動によって痩せてシワが増えたのは事実だが
それでもまだ、席を譲られるほどではない。

きのう、彼がよほど疲れた顔をしていて
彼女がよほど心優しい女性だったのだ。
そう思うことにしよう。

あ、いいことを思いついた。
妊婦さんには「お腹に赤ちゃんがいます」という
マタニティマークがある。
その応用で
「私は高齢者ですが足腰は丈夫です」とか
「私は老けて見えますがまだ若いので心配は無用です」とか
そんなマークがあってもいいんじゃないか?

ついでに言うと、私はこんなマークがほしい。
「夜勤明けです。眠いんです。席を譲ってください」