ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

キワよ、お前が大嫌いだ。

2017-07-06 23:48:59 | 日記
久しぶりにこの人にご登場いただこう。
性悪女・キワ。

かつて食事を共にしていた利用者たちは
キワの性格の悪さに愛想を尽かし
一人、二人とテーブルを去っていった。
しかし一番いじめられていたユキエだけは
職員が気の毒に思って別の席に案内するようになった今も
キワに話しかけられると
ニコニコとかわいい笑顔で応じる。
激しい記憶障害があるから
どんなに暴言を吐かれても忘れてしまうのだ。

今回もそんなユキエが標的にされた。

おとといのこと。
キワは食堂からの帰り道
ツツッとユキエに寄っていった。

「ねえねえ、アナタ出身はどこだっけ?」
突然の質問に即答できなかったユキエに向けて
キワは追い討ちをかける。
「あ、答えられないんだ。ということは日本じゃないんだ」
「わかったぁ、きっとチョーセンね?」
ポカンとしているユキエをあとにして
キワは「チョーセン!チョーセン!」と歌うように繰り返しながら
歩いていったのだった。

このバーサン、息子や娘たちにどういう教育をしてきたのだろう。
こんな性悪女が母親だったら
子供は人間のクズとして成長するに違いない。

先日はこんなこともあった。
新しい入居者にさっそく目をつけたキワは
いかにも面倒見のいい人間を装って
彼女に建物内の案内をはじめた。

その建物案内というのがなんとも性悪。
居室の連なる廊下を歩きながら
利用者一人ひとりの悪口を言って回ったのである。

「この部屋の方はツンボで声がバカでっかいの」
(ツンボはこの現代、放送禁止用語・差別用語だ。知らねーのか!?)
「この部屋の方は一人じゃ何もできないから
お手伝いさんに掃除とか洗濯をしてもらってるの」
(おおい、私たちはお手伝いじゃないぞ。わかってねーのか!?)
(お前だって掃除・洗濯をヘルパーに任せてるじゃねーか!忘れたか?)
「この部屋の方は頭がおかしいの。くるくるパーなの」
(オイ、言っておくが、お前だって認知症なんだぞ!)

一連の行動をたまたま目撃したヘルパーA子が
あまりに腹が立ってキワに注意した。
「キワさん、人のことを悪く言うもんじゃないわよ。
あなたは人の気持ちがわからないの!?」

しかしキワは怯むどころか、すかさずこう言い返したそうだ。
「アナタにそんなこと言われる筋合いはないわ」

おそらくこれまで70年、80年に及ぶ人生で
彼女は意地悪な発言を繰り返し
そのたびに周囲からたしなめられてきたのだろう。
たしなめられることなんか、もう慣れっこになっているのだろう。

キワよ。
手が掛かる高齢者はたくさんいるが
嫌いなのはお前だけだ。