ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

私はオソマツさん

2017-07-19 23:41:40 | 日記
ケイコの通院に同行しようとして
駐車場で派手に転び
整形外科で点滴注射まで打たれたというオソマツなあの日から
まだ10日も経っていない。

つくづく、私はオソマツな女だと思う。

夜勤明けで、炎天下の中を這うように帰ってきた。
化粧は剥がれ落ち、いまだ痛い足を引きずり
おそらく見るも悲惨な中年女だ。

しかし人からどう見られたってかまわない。
やっと帰ってきたぞぉ、ビール飲んで布団にもぐりこむぞぉ。
頭の中にあるのはその思いだけだ。

ところが、玄関まで来て気がついた。
か、鍵がない。

夜勤入りのきのう、おっさんは休みで、外は雷雨。
「すごい雨だなあ、雷に打たれないように気をつけていけよ」
「うんうん、じゃ、行ってくる」
そんなやりとりをしていたものだから
すっかり、鍵をもつのを忘れてしまったのだ。

このドアの向こうに、私の安楽がある。
けれども私は、このドアを開けることができない。

もはやパニくるエネルギーさえも持ち合わせておらず
私はぼーっと、ドアの前に立ち尽くしたのだった。

しかし人間ってのは
こんなときにでもなんとか生き延びる方法を見出すもので
しばらくドアの前で佇んだあと
近くのサイゼリアに行ってグラスビールをあおった私は
そうだ、スパに行こう!と思いつく。
(幸い、家から10分ほどのところに去年オープンした人気のスパがある)

結果、そのスパで湯に浸かり、テレビを見ながら惰眠をむさぼり
携帯でコトの次第を伝えておいたおっさんが帰ってくる時間を見計らって
無事、生還!

めでたし、めでたし。
いや、違うだろー?

お前、高齢者の世話をする仕事をしていながら
自分がこんなにボケていてどーすんだよ!?
我ながら、オソマツさにあきれ返る。

介護を学んだ職業訓練校の鬼教官からも
「アナタはそそっかしすぎる!」と
こっぴどく叱責されたことがあったっけ。

ああ神様
老いていくのは受け止めます。
ふけ顔になっていくのも受け止めます。
でもこのそそっかしさ、なんとかならんもんでしょーか・・・