呑んだくれ爺や悪口婆の言動にイラつくことも少なくない毎日。
ときどき車椅子で脱走したり
深夜、建物内を徘徊して時には転倒してくれる“おとぼけM三郎”は
なんだかんだ言ってもやっぱり私たち職員の癒しである。
きのう、彼のトイレ誘導を行ったときのこと。
便座に座らせてドアを閉め
外から声掛けしながら終了のときを待つ。
M三郎さん、終わったぁ?
「まだあ」
これを幾度か繰り返し
ようやく「終わったよぉ」という返事をもらったところでドアを開ける。
するとM三郎、少しばかり悲しげな表情で言った。
「出ないんだよね。頑張ってるんだけど、出ないんだ」
そっか、ウンチ出なかったのね。じゃ、あきらめようか。
しかし立ち上がらせようとする私の顔を仰いでM三郎は言う。
「ここはパチンコ屋さんなの?」
は? なんでよ~?
M三郎さん、ここはアナタのお部屋でしょう?
「そーなの? パチンコ屋じゃないの?」
違うってえ。
でも、なんでパチンコ屋だと思ったの?
すかさず、M三郎はこう答えた。
「だって、玉が出ないんだもん」
おーい。出ないのはアナタのウンチでしょうが!?
確定診断はされていないが、明らかに認知症が進んでいるM三郎。
彼についてはボケがひどくなってきた、というより
まさに“おとぼけ”が進んできたという表現がふさわしく
手を焼かされながらも笑ってしまうのである。
ときどき車椅子で脱走したり
深夜、建物内を徘徊して時には転倒してくれる“おとぼけM三郎”は
なんだかんだ言ってもやっぱり私たち職員の癒しである。
きのう、彼のトイレ誘導を行ったときのこと。
便座に座らせてドアを閉め
外から声掛けしながら終了のときを待つ。
M三郎さん、終わったぁ?
「まだあ」
これを幾度か繰り返し
ようやく「終わったよぉ」という返事をもらったところでドアを開ける。
するとM三郎、少しばかり悲しげな表情で言った。
「出ないんだよね。頑張ってるんだけど、出ないんだ」
そっか、ウンチ出なかったのね。じゃ、あきらめようか。
しかし立ち上がらせようとする私の顔を仰いでM三郎は言う。
「ここはパチンコ屋さんなの?」
は? なんでよ~?
M三郎さん、ここはアナタのお部屋でしょう?
「そーなの? パチンコ屋じゃないの?」
違うってえ。
でも、なんでパチンコ屋だと思ったの?
すかさず、M三郎はこう答えた。
「だって、玉が出ないんだもん」
おーい。出ないのはアナタのウンチでしょうが!?
確定診断はされていないが、明らかに認知症が進んでいるM三郎。
彼についてはボケがひどくなってきた、というより
まさに“おとぼけ”が進んできたという表現がふさわしく
手を焼かされながらも笑ってしまうのである。