ご飯は私の大きな楽しみである。
食べ歩きを趣味としているわけではない。
高級食材を取り寄せる趣味を持っているわけでもない。
どーでもいいものを食べたくない。
ただただ胃袋を満たせばいい、というのは許せん!
ファミマの肉まんでも、“すき家”の豚丼でも
もちろん自分にとっての天才シェフである私の手作り料理でも
とにかく
そのとき食べたいものが、私にとっては最高のご馳走なのである。
夜勤明けの朝食にも、こだわる。
ああ夜勤が終わった~!
とりあえず食堂のショッボイ朝ご飯を食べてから帰るかぁ!
…そんなの、つまらなすぎる。
味がどうだとか、量がどうだとか、そういうことではない。
楽しめないことが、嫌なのだ。
そしてきのうの夜勤明け。
食堂の朝食をキャンセルして前日に用意した夜勤明けメニューは
チンするだけのミネステローネと冷凍の明太フランスパン。
ふっふっふ、早くも胃袋が小躍りしてるぜ。
それを食する夜勤明けの朝を楽しみに
私は一生懸命働いた。
私を“御大”と呼ぶマリコの数分おきの非常コールに対応し
K子の物盗られ妄想劇場に付き合い
パジャマのズボンを脱いで車椅子で徘徊しているK三郎を
何度も部屋に連れ戻し
そう、私は一生懸命働いた。
そんなこんなでようやく迎えた朝。
ミネストローネを電子レンジにかけ
食堂のトースターに明太フランスパンをセットし
ふふっと、そのときを待つ。
ヘルパーさんに話しかけられたために少し遅れてしまったが
すでにパンは焼きあがっているはず。
そう思って食堂に行ったら
な~い! トースターに入れたはずの私の明太フランスが、な~い!!!
パニクッてあちこち探すと
それは、厨房の奥に鎮座していた。
あ、あのパン、私のなんだけど…
そう言うと、食堂のスタッフが慌てて飛んできた。
「ああ、アナタのでしたか。
このパンは誰のかって、さっき、すごい騒動だったんですよ」
チ~ン!とパンが焼きあがる音がして
そのときたまたま近くにいた
認知症のNさんと同じく認知症のHさんが
「「これはきっと私のパン!」
「いやいや、それはオレのパン!」
と、私の明太フランスをめぐってケンカになったのだという。
そこに居合わせた自立(介護サービスを受けていない自立生活者)の女性が
「誰のパンかわからないのだったら食べないほうがいい」と
収めてくれたので
私の朝ご飯はどうにか命拾いしたのであった。
ひゃあ、危ない、危ない。
油断も空きもあったもんじゃない。
相手が高齢者であっても、認知症の方であっても
私の食の楽しみを奪う者は
絶対に許せないのである。
食べ歩きを趣味としているわけではない。
高級食材を取り寄せる趣味を持っているわけでもない。
どーでもいいものを食べたくない。
ただただ胃袋を満たせばいい、というのは許せん!
ファミマの肉まんでも、“すき家”の豚丼でも
もちろん自分にとっての天才シェフである私の手作り料理でも
とにかく
そのとき食べたいものが、私にとっては最高のご馳走なのである。
夜勤明けの朝食にも、こだわる。
ああ夜勤が終わった~!
とりあえず食堂のショッボイ朝ご飯を食べてから帰るかぁ!
…そんなの、つまらなすぎる。
味がどうだとか、量がどうだとか、そういうことではない。
楽しめないことが、嫌なのだ。
そしてきのうの夜勤明け。
食堂の朝食をキャンセルして前日に用意した夜勤明けメニューは
チンするだけのミネステローネと冷凍の明太フランスパン。
ふっふっふ、早くも胃袋が小躍りしてるぜ。
それを食する夜勤明けの朝を楽しみに
私は一生懸命働いた。
私を“御大”と呼ぶマリコの数分おきの非常コールに対応し
K子の物盗られ妄想劇場に付き合い
パジャマのズボンを脱いで車椅子で徘徊しているK三郎を
何度も部屋に連れ戻し
そう、私は一生懸命働いた。
そんなこんなでようやく迎えた朝。
ミネストローネを電子レンジにかけ
食堂のトースターに明太フランスパンをセットし
ふふっと、そのときを待つ。
ヘルパーさんに話しかけられたために少し遅れてしまったが
すでにパンは焼きあがっているはず。
そう思って食堂に行ったら
な~い! トースターに入れたはずの私の明太フランスが、な~い!!!
パニクッてあちこち探すと
それは、厨房の奥に鎮座していた。
あ、あのパン、私のなんだけど…
そう言うと、食堂のスタッフが慌てて飛んできた。
「ああ、アナタのでしたか。
このパンは誰のかって、さっき、すごい騒動だったんですよ」
チ~ン!とパンが焼きあがる音がして
そのときたまたま近くにいた
認知症のNさんと同じく認知症のHさんが
「「これはきっと私のパン!」
「いやいや、それはオレのパン!」
と、私の明太フランスをめぐってケンカになったのだという。
そこに居合わせた自立(介護サービスを受けていない自立生活者)の女性が
「誰のパンかわからないのだったら食べないほうがいい」と
収めてくれたので
私の朝ご飯はどうにか命拾いしたのであった。
ひゃあ、危ない、危ない。
油断も空きもあったもんじゃない。
相手が高齢者であっても、認知症の方であっても
私の食の楽しみを奪う者は
絶対に許せないのである。