サチさん(仮称)はケラケラ、ケラケラと
笑ってばかりいる。
ひどい認知症で発語にも障害のある
けれどもとびきりチャーミングな70代。
言葉によるコミュニケーションはとれないが
何を言っても楽しそうに笑うので
ときには涙を流して大笑いするので
誰もがサチさんといると
日常のウサを忘れて幸せ気分になれるのである。
そんなサチさんが、きのう、行方をくらました。
ウチの場合、施設や病院ではないから
誰でも外出は自由だ。
しかし自分の名前もいえない彼女を放っておくことはできない。
同僚と二人で館内を駆けずり回り
30分かけて付近を探し回ったが
その行方は、杳として知れず…
あ、こんなときにはアレだ。
そう思って防犯カメラを巻き戻してきると
彼女の姿は映っていた。
エントランスから出ようとして戻り
また出ようとして、踏みとどまり
そして最後に映ったのは、館内に戻る姿だった。
と、いうことは
この中にいる~~~!
マネージャーの許可をもらって一軒、一軒
居室を訪ねることにした。
すると、なんと2軒目でサチさんを発見。
そこは先週入居したばかりのKさん宅。
家族から捨てられたと思い込み
毎日眠れないほど嘆き悲しんでいるウツ状態のKさんのお宅に
サチさんは迷い込んでいたのである。
「いま、この方が遊びに来てくれて
私の話を聞いてもらってたの。
お引止めしちゃって申し訳なかったけど
お陰で少し心が軽くなったわ」と、Kさん。
何もわからなくても
おう、おう。うん、うん。と絶妙な相槌を打つサチさんに
Kさんはそうとは知らず
思いっきり不幸な身の上話をしていたらしい。
捜索に疲労困憊したけれど
サチさん
あなたは万人の心を癒す国宝級の介護士です。
笑ってばかりいる。
ひどい認知症で発語にも障害のある
けれどもとびきりチャーミングな70代。
言葉によるコミュニケーションはとれないが
何を言っても楽しそうに笑うので
ときには涙を流して大笑いするので
誰もがサチさんといると
日常のウサを忘れて幸せ気分になれるのである。
そんなサチさんが、きのう、行方をくらました。
ウチの場合、施設や病院ではないから
誰でも外出は自由だ。
しかし自分の名前もいえない彼女を放っておくことはできない。
同僚と二人で館内を駆けずり回り
30分かけて付近を探し回ったが
その行方は、杳として知れず…
あ、こんなときにはアレだ。
そう思って防犯カメラを巻き戻してきると
彼女の姿は映っていた。
エントランスから出ようとして戻り
また出ようとして、踏みとどまり
そして最後に映ったのは、館内に戻る姿だった。
と、いうことは
この中にいる~~~!
マネージャーの許可をもらって一軒、一軒
居室を訪ねることにした。
すると、なんと2軒目でサチさんを発見。
そこは先週入居したばかりのKさん宅。
家族から捨てられたと思い込み
毎日眠れないほど嘆き悲しんでいるウツ状態のKさんのお宅に
サチさんは迷い込んでいたのである。
「いま、この方が遊びに来てくれて
私の話を聞いてもらってたの。
お引止めしちゃって申し訳なかったけど
お陰で少し心が軽くなったわ」と、Kさん。
何もわからなくても
おう、おう。うん、うん。と絶妙な相槌を打つサチさんに
Kさんはそうとは知らず
思いっきり不幸な身の上話をしていたらしい。
捜索に疲労困憊したけれど
サチさん
あなたは万人の心を癒す国宝級の介護士です。